ブルガリア検察、毒殺未遂と弾薬庫爆破へのロシア国民の関与を捜査

ブルガリア検察は、ブルガリアの武器貿易に携わる実業家エミリアン・ゲブレフ氏への毒殺未遂とブルガリアとチェコで起きた弾薬庫爆破事件の間の繋がりと、それら事件にロシア国民が関与していたことを推測できる根拠があることを認めた。

ラジオ・リバティー通信ブルガリア語版が28日のシーカ・ミレヴァ検事総長報道官、イヴァン・デシェフ検事総長、ジミタル・ゲオルギエフ国家安全保障局長の発言を報じた

発表によれば、捜査により「爆発が生じ、ブルガリア国民3名が毒殺未遂を受けた際に、ロシア連邦国民6名がブルガリア領内に滞在していた」ことが判明したという。

ミレヴァ検事総長報道官は、「この瞬間に集まっている証拠から、ロシア国民の行動の目的が、ジョージアとウクライナへの特別な製品の供給を破綻させることであったと、高い確度で結論付けることが可能である」と発言した。

同報道官は、「4つの事件(編集注:ブルガリアでの武器庫爆発事件)の間には類似性がある。加えて、それら事件と、その他同時期の類似倉庫の爆発事件との間には相違性がある」と発言した。また、これら全ての事件において、原因が解明されておらず、技術的過失も見つかっておらず、また破壊された武器はウクライナあるいはジョージアへ輸出されることが決まっているものだったと指摘された。

報道官は、検察は現在、チェコの爆破事件との関連性を調べるため、国外の関係機関と協力していると述べた。

なお、これに先立ち、2014年のチェコでの弾薬庫爆破にロシアの関与が判明したことが発表された後、ブルガリアの元国防相が、ブルガリアで生じた類似の武器庫爆破事件の捜査を再開するよう呼びかけていた。

ラジオ・リバティー・ブルガリア語版は、新たに調査により、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)とブルガリアでの爆発事件との関係の可能性を示す追加証拠が見つかったと報じている。

報道によれば、2015年春にブルガリアにて爆発事件が発生した時期に、少なくとも6名の、GRUエージェントだと特定されたロシア国民が、頻繁にブルガリアに入国していたことが判明しているという。

また、27日、民間調査グループ「ベリングキャット」は、2014年のチェコ南東部ヴルビェティツェでの弾薬庫爆破は、ロシア軍情報機関による、ウクライナの弾薬獲得を妨害することを目的とした特殊作戦の一部であったとする調査報告「露軍参謀本部情報総局(GRU)はどのようにチェコとブルガリアにおける妨害工作と暗殺活動でウクライナを弱体化しようとしていたか」を発表している

4月17日、チェコ治安機関は、2014年のチェコ南東部ヴルビェティツェ(Vrbětice)での弾薬庫爆発にロシアの情報機関が関与していたとする結論を発表し、2014年10月にプラハとモラヴィアに滞在していたロシア連邦パスポート所有者男性2名を捜索していると伝えた。これら2名は、写真から、2018年の英南部ソールズベリーにおけるスクリパリ暗殺未遂事件の容疑者と同一人物であることがわかっている(露軍諜報機関のアナトリー・チェピーガとアレクサンドル・ミシュキン)。

バビシュ・チェコ首相とハマーチェク第一副首相兼内務相は同日、同国から18名のロシア外交官を追放すると発表した。追放されるのは、「チェコ共和国情報機関により、ロシア対外情報庁とロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の将校として特定された在プラハ・ロシア大使館の職員全員だ」と説明された。