ウクライナ汚職捜査機関、与党国会議員に違法蓄財の容疑を伝達

ウクライナの政権高官の汚職犯罪捜査に特化した捜査機関「国家汚職対策局(NABU)」は2日、現最高会議(国会)議員に対して、1100万フリヴニャの違法蓄財の容疑を伝達したと発表した。

NABU広報室が公表した

発表には、捜査班の情報として、2020〜2021年、同議員は、この期間の自身と配偶者の公式な収入額と貯蓄額が1400万フリヴニャを超えていないにもかかわらず、総額2500万フリヴニャの資産を取得していたことが報告されている。取得資産とは、キーウ州の3つの土地、キーウ市のアパート5件、非住居型空間2件、テスラ社とメルセデスベンツ社の自動車だという。

取得した資産と資金の差額は1100万フリヴニャ(約4400万円)となると指摘されている。

同議員は、保有資産の隠蔽のためにその大半を親族の所有としていたが、その使用権限は完全に自分に残していたという。

容疑者のこの行為は、ウクライナ刑法典第368−5条に該当するものだと指摘されている。

NABUは、犯罪の摘発は、民間の調査報道チーム「ビフス」などによる調査報道後に行われたものであり、また国家汚職防止庁(NAPC)の支援も受けたと説明している。

なお、他報道機関によれば、容疑が伝達された議員とは、与党会派「人民奉仕者党」のアンドリー・クロチュコ氏だという。