(更新)裁判所、ヤヌコーヴィチ前大統領に国家反逆罪等で懲役13年の実刑判決

24日、キーウ(キエフ)市オボロン地区裁判所は、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ被告(前大統領)の国家反逆罪容疑につき、有罪とし、懲役13年の実刑判決を言い渡した。

判決は、ウラディスラウ・デウヤトコ筆頭裁判官が読み上げた。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

デウヤトコ裁判官は、「諸犯罪により、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ被告への懲役13年の形の最終的実刑を認める」と読み上げた。

また、同裁判官は、実刑期間は、同被告の拘束時から計算されると指摘した。

同裁判官は、被告弁護側に対し、ヤヌコーヴィチ被告には裁判所で自らの弁護の機会を繰り返し与えたが、同被告はこれら機会を利用しなかったと指摘した。

本日の裁判における、判決の読み上げは、8時間弱続いた。この中で、デウヤトコ筆頭裁判官は、ヤヌコーヴィチ被告がロシアによる対ウクライナ侵略戦争開始を幇助したとして、同被告の有罪を認め、「ヤヌコーヴィチ氏は、その時点で既に法的に大統領の地位にはなかったにもかかわらず、2014年3月1日、プーチン露大統領に対し、ロシア連邦軍をウクライナに対する侵略戦争の展開のために用いるよう要請を行った」と発言していた。。

判決文読み上げの際、裁判官は、とりわけ、レファト・チュバロフ・クリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」代表、アナトリー・モヒリョフ・クリミア自治共和国閣僚会議元首相、イーホル・ヴォロネンコ・ウクライナ海軍司令官、アルセン・アヴァコフ内務相、オレクサンドル・トゥルチーノフ国家安全保障国防会議書記、アルセーニー・ヤツェニューク元首相、ヴォロディーミル・イェリチェンコ国連ウクライナ常駐代表、ペトロ・ポロシェンコ大統領等の証言が読み上げられた。

本日の裁判は、ヤヌコーヴィチ前大統領の国家反逆容疑捜査に関する第90回目審議となる。

オボロン地区裁判所は、2017年5月4日にヤヌコーヴィチ前大統領に対する、国家反逆(ウクライナ刑法典第111条1項)、ウクライナの領土境界線・国境変更を目的とする意図的行為の幇助(同第27条5項、第110条3項)、侵略戦争展開幇助(同第27条5項、第437条3項)にのっとった容疑の審議を開始していた。

この容疑の主要な証拠の一つは、ヤヌコーヴィチ前大統領からプーチン露大統領に対して出された、ウクライナ領へのロシア軍展開を要請する書簡である。

本件容疑のこれまでの裁判審議の際、ヤヌコーヴィチ前大統領はロシア国内から動画システムを用いた遠隔出廷をしていた。しかし、審議が最終段階に入り、同前大統領に対して、判決前最終発言が求められると、同前大統領は動画を通じた出廷を行わなくなった。そのため、昨年12月5日、裁判所は、ヤヌコーヴィチ前大統領の最終発言のための審議の更なる延期を止め、判決採択プロセスに入っていた。

なお、原告側は、ヤヌコーヴィチ前大統領に対して15年間の拘禁刑の有罪判決を定めるよう要請していた。