ウクライナはトランプ氏のロシア攻撃停止の呼びかけを考慮しなくて良い=ヴォルカー元米特別代表

2017〜2019年に米国務省でウクライナ担当特別代表を務めたカート・ヴォルカー氏は28日、ウクライナはロシア領への攻撃を継続しなければならないとし、なぜならそうしなければロシアの首脳プーチン氏が自身を説得しようとするいかなる試みにも耳を傾けないからだと発言した。

ヴォルカー欧州政策分析センター研究員がブリュッセルで開かれた「ウクライナを支援し、欧州を守れ」と題するイベント(キーウ安全保障フォーラムのEUオフィス主催)の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ヴォルカー氏はまた、トランプ米大統領からは、ウクライナに関して、新しい政策や、より優れた政策を、近い将来においても、もしかしたら長期的にも、期待すべきではないと発言した。

そして同氏は、「ウクライナに選択肢はない。ウクライナは戦闘を遂行し、自らを防衛し、戦争を終わらせることを試みるために、戦争をロシア領に移行させるために必要なことを行わなければならない。実際のところ、他に選択肢はないのだ」と強調した。

同氏は加えて、現在、米大統領は議会の中間選挙にのみ集中しており、大統領の状況はあまり良くないと発言した。同氏は、トランプ氏は有権者が最も懸念している問題、特にエネルギー資源や軽油の高価格を解決しているという印象を作り出すことを期待して、様々な政治的解決策やアイデアに飛びついていると指摘した。

そして同氏は、「その点では全てが中間選挙を中心に回っており、トランプ氏は変わらない」と説明した。

同時に同氏は、ウクライナは不必要に米大統領と論争したり、衝突を誘発したりすべきではないとしつつ、同時に、ロシア領内の目標を攻撃しないようにとのトランプ氏の呼びかけも過剰に考慮すべきではないとも忠告した。

同氏は加えて、「近い将来、そして明言できるが、長期的な観点においてさえ、トランプ大統領からは、より良いものを得ることはないだろう」と発言した。

そして同氏は、ウクライナの最善の希望は米国民と米国議会と結びついているとし、「米国にはウクライナへの巨大な支持が存在する。両党の代表者の大半と国民の大半がウクライナを支持している」と強調した。

同氏はその他、中間選挙に出馬している共和党の候補者たちは、トランプ大統領が発表したプーチン氏に対する制裁の緩和に公に反対せざるを得なくなっているとし、なぜなら、そのような行動は米国民の間で支持を得られていないからだと説明した。

会場からの、誰がプーチン氏との交渉を成功させ、戦争を止めるよう説得できるかという質問に対し、ヴォルカー氏は、プーチン氏はトランプ氏と同様、実際には誰の言葉にも耳を傾けないと回答した。

その際同氏は、プーチン氏は「ロシアを深刻な被害を与える無謀な道へと導き、今や止まるための手段を見出せないでいるのだ。彼には引き返す道が見えていない。彼は前に進むことしかできないのだ」と発言した。

同氏はそして、そのような状況下では、プーチン氏から継戦能力を奪う必要があると主張した。

その際同氏は、「ウクライナの戦略は完全に正しい。同国(ウクライナ)はクレムリンの財政を攻撃し、ロシア人が戦争の悪影響を実感するようにし、またロシアが戦争を継続できないようにするべく、軍事施設、兵站、供給ルート、倉庫、兵力に攻撃を加えている」と指摘した。

同氏はまた、欧州はウクライナによるこの戦略の実現を支援しているとし、米国が同様のことをしていないことへの遺憾の意を表明した。

同氏はその上で、「プーチン氏に戦争を止めさせたいのであれば、それが正しい道だ。彼は誰の言葉にも耳を傾けない」と強調した。