ロシアは兵員補充に苦慮、秘密動員を実施中=戦争研究所
米国のシンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、ロシア政権は対ウクライナ戦争の戦場での莫大な損耗と兵員補充水準の低さを背景に、隠れた強制動員の措置を講じることが増えていると報告した。
米戦争研究所(ISW)が3月31日付報告書で伝えている。
ISWは、露リャザン州のマルコフ知事が3月20日に出した、従業員数150人から500人規模の中堅・大手企業に対し、ロシア国防省と契約を結ぶための従業員を2人から5人選出することを義務付ける命令につき伝えた。その命令は、少なくとも2026年9月20日まで有効だという。
その際ISWは、「3月20日の命令は、ロシア人に対する新たな強制徴兵を回避しつつ、ウクライナの前線への兵力を確保することを目的とした、ロシアの隠れた動員措置の延長的にあるものだ」との見方を示している。
またISWは、ロシア大統領府が中堅・大手企業に契約署名のための従業員選出義務を課すことで、隠れた動員に対する自らの責任を回避するための条件を作り出してと指摘している。
ISWはさらに、今年1月のロシア軍への兵員募集水準は、2022年以降で初めて損耗水準を下回ったと伝え、ロシア国防省は軍に人員を補充し、新たな層を取り込むための新たな方法の模索に苦慮していることが明らかだと指摘した。その原因として、以前のメカニズムであった、契約署名時の多額の一時金支給という手法の効果が、2025年末に低下したことが挙げられている。
そしてISWは、「クレムリンは、ウクライナでの損耗を補填するために、大規模な強制動員の水準には達しない、隠れた、段階的な動員措置を諸地域で継続していく可能性が大きい」と推測している。