ウクライナの情報機関と求人サイト、ウクライナ居住のロシア先住民向け求人募集開始へ
ウクライナの求人サイト「ロビーX」と国防省情報総局は、情報総局外国人軍団の部隊の1つで、ロシア先住民からなる部隊「ノマド」への求人を行うための協定を締結した。
情報総局広報室が公表した。
情報総局は、ロシア領には100以上の先住民族が居住していることを喚起し、「モスクワの帝国主義的政策は、何世紀にもわたり、彼らから政治的主体性を剥奪し、彼らを同化し、果てしない征服戦争における突撃要員として利用するように構築されてきた」と指摘した。
また同局は、プーチンのウクライナ侵攻を受け、情報総局が機会を生み出し、必要な手段を提供したことにより、これらロシアの先住民族によるモスクワ占領者への武力抵抗が再開が生じたと伝えている。
本件につき、ロビーXの代表者は、「ロビーXにとって、これは新たな重要な挑戦だ。なぜならこれは、ウクライナ領内に居住しながら、タタール人、バシキール人、カルムイク人、アルタイ人、ヤクート人のルーツを持つ軍事職の専門家捜しだからだ」とコメントした。
ロビーXと情報総局の協力は、特定の任務を遂行する新しい部隊を充足させるための新たな機会を開くものだと説明されている。迅速かつ質の高い適切な人材の選考は、最高レベルの求人専門家にのみ可能だとした上で、情報総局はこの協力が良い結果をもたらすことに期待しているとつたた。
なお、「ロビーX」とは、民間の求人サイトを運営する企業であり、一般企業の他、ウクライナ軍、改革に携わるグループ、NGO、独立系報道機関のための求人情報の掲載を行なっている。
部隊「ノマド」は、2025年初頭に創設された戦闘部隊で、ウクライナ国防省情報総局の国際軍団に属している。ロシア連邦のテュルク系及びカルムイク系の先住民族の代表者で構成されているとし、現在、主にカルムイク人、タタール人、バシキール人、ヤクート人で構成されているという。「この部隊の目標は、ロシア連邦の崩壊と、その旧領土に独立した民族国家を創設すること」だと書かれている。
情報総局はその上で、「あなたがロシアの先住民族の一員であり、『ノマド』部隊への参加を望むなら、リンクから求人の1つに履歴書を送って欲しい」と呼びかけている。
これに先立ち、2024年3月、ロシア国民の志願兵からなり、露宇戦争をウクライナ側で戦っている「ロシア自由軍団」「ロシア志願兵軍団」「シベリア大隊」は、共同作戦の一環でロシア領のクルスク州とベルゴロド州に進入していた。
写真:「ノマド」