EUと英国、新たな対露制裁を発表
欧州連合(EU)外務理事会は20日、第17回対露制裁を承認した。また同日、英国政府も、新たな対露制裁の発動を公表した。
欧州連合の制裁は、ロシアの「影の船団」に加わる約200隻の船舶などが対象。カラスEU外務・安全保障政策担当上級代表がXアカウントで報告した。
カラス氏は、「EUは、第17回対露制裁を承認した。同制裁は、『影の船団』の約200隻の船舶に関わる。新しい措置はまた、ハイブリッド脅威や人権にも関連する。さらなる対露制裁の作業が行われている。ロシアが戦争を長く続ければ続けるほど、私たちの対応もより強力となる」と書き込んだ。
英国の新たな対露制裁は、ロシアの軍事、エネルギー、金融の部門に対するものとなっている。英政府広報室が公表した。
発表によれば、今回の制裁は、ロシアの軍事、エネルギー、金融部門の100の対象に及ぶとあり、またウクライナに対する情報戦を遂行している者も対象。
新しい措置は、ミサイル「イスカンデル」を含むロシアの兵器のサプライチェーンも対象となった。発表には、「これはロシアの軍事機構を妨害し、ウクライナ人と私たちの集団安全保障を守るものだ」と書かれている。
英国は、今回の制裁はロシアのプーチン氏による制裁回避の試みに打撃を与え、国際経済との再接続の試みを封じる助けとなると指摘している。
さらに今回の制裁には、ロシアの制裁回避を支援している46の金融機関、サンクトペテルブルク通貨取引所、ロシアの銀行の保険を担当するロシア預金保険機関も対象だと説明されている。英国は、「これらの新たな制裁は、ロシア経済をさらに孤立させ、ロシアの収入の流れを妨害する」と指摘した。
その他英国の制裁は、ロシアの石油を運ぶ「影の船団」18隻とその支援者も対象となるという。
加えて英国は、パートナー諸国と一緒に、ロシアの石油価格の上限強化についても作業していると発表した。
これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は19日、ロシアが停戦しなければ、EUがロシアに対する真剣な制裁パッケージを発動すると発言していた。