ロシア黒海艦隊は重要艦船をノヴォロシースクに集結させている=ウクライナ海軍報道官

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ウクライナ海軍のプレテンチューク報道官は10日、ロシア海軍黒海艦隊はほぼ全ての重要艦船をロシア領ノヴォロシースクに集結させており、クリミアに残っているのは修理中のものか、ノヴォロシースクに停泊する場所がないものだけだと発言した。

プレテンチューク海軍報道官がメディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムでの記者会見時に発言した

プレテンチューク氏は、「彼らは実質的に全ての重要で真剣な戦闘用のものをノヴォロシースクに集結させている。彼らは、ウクライナが国際的要件を守っている、つまり、国際プロトコル、国際海洋法を守っていることを利用して、現在実質自分たちの領海にいるのだ。クリミアには、修理中のものが少なくとも15隻、あるいは、ノヴォロシースクへは停める場所がない資産が残っている」と発言した。

同氏はまた、黒海艦隊の艦船は現在、停泊地点におり、港湾への航路は閉ざされていると伝えた。

さらに同氏は、「ソチやトゥアプセのような他の港の利用は、それら艦船をしかるべく守るインフラが足りないことで難しく、そのため彼らはノヴォロシースクに集結させているのだ。アブハジアの基地の利用も同じ結果で、そのことは彼らが自分のメディアで語っている。なぜなら、そこの基地は小さく、露連邦保安庁(FSB)の沿岸警備隊しか駐留できない。より大きな艦船は、そこでは機動ができない。そのため、現状維持となっていると言える。いわゆるロシア連邦の黒海艦隊の新しいトップの新しい戦術で私たちが目にしている唯一のものは、哨戒の意味での航空要素の利用の増加だ」と発言した。

その他同氏は、ロシア軍は巡航ミサイル発射のために潜水艦を再び使用したとしつつ、しかし、今は潜水艦も基地に位置していると述べた。

ウクライナ情報総局が露カリーニングラード州での損傷を認めた、ミサイル艦隊「セルプホフ」をロシアが黒海へと移動させる可能性について質問されると、同氏は、技術的観点ではあり得るが、そこに軍事的な意味はないと説明した。その際同氏は、「それは純粋に技術的には可能だ。私たちは、バルト海から内水を通じていわゆるロシア領を通ってアゾフ海・黒海地域への連結があることは話してきた。そのため、かなり難しいが、純粋に技術的には可能なのだ。しかし、私たちは実際のところは、その情報は分析的なものであって、そこには軍事的な意味は全くないと考えている。そのため、当然ながら、さらに1つの船を投入するというのは、そのための作業も行われていないし、停泊施設さえ足りない中で、彼らはまずもってそれを実行しないだろう」と指摘した。

これに先立ち、9日、バルト海に面したロシア領飛び地カリーニングラード州にロシアのバルト艦隊のミサイル艦「セルプホフ」が火災により使用できなくなったことが報じられていた。