プーチン露大統領、全てのウクライナ国民に対するロシア国籍付与手続き簡素化大統領令に署名 ウクライナ政府は非難

ロシア連邦のプーチン大統領は11日、全てのウクライナ国民がロシア国籍を簡素手続きで取得できるようにする(パスポータイゼーション)大統領令に署名した。

ロシア連邦の公式法律関連情報オンラインポータルサイトに情報が掲載された

同大統領令は、今年の5月末にプーチン氏が署名した、ウクライナ南部のザポリッジャ州とヘルソン州の住民を対象にした国籍付与手続き簡素化大統領令に変更を加え、ウクライナ全土のウクライナ国民を対象とするものとなっている。

同日、ウクライナ外務省は、この大統領令を非難する声明を発出した

外務省は、このような決定はウクライナの主権と領土一体性をさらに侵害するものであり、国際法の規範と原則と合致しないものだと指摘している。

また外務省は、「本件は、特に、ウクライナの大地の侵略、ウクライナ国家の破滅、ウクライナ民族の強制的同化というクレムリンの方針の継続を確認するものである」と強調した。

加えて同省は、このようなウクライナ国民の「パスポータイゼーション」は、法的に無意味であり、ウクライナにとっての法的効果を生じさせるものではないと指摘した。同時に同省は、むしろロシアがこのような国籍身分証明書の簡素手続きでの配布を、占領地の住民の首にかけた縄を締め上げることに利用し、住民を占領政権・ロシア侵略軍の犯罪活動に参加させていると強調した。

また、声明では、クレーバ宇外相が、「ウクライナ国民にプーチン国籍は必要ないし、それを力で押し付ける試みは失敗する運命にある。その大統領令は無意味であると同時に、プーチンの侵略的食欲を証明するのみである。私は、ウクライナ軍がパートナーたちの然るべきサポートをもって、それらに終止符を打つと確信している」と発言したことが書かれている。

さらにクレーバ氏は、国際社会に対して、今回のパスポータイゼーションに対して「断固とした対応」として、ウクライナへのさらなる重火器提供と新しい対露制裁の発動を呼びかけた。