プーチン露大統領、占領するウクライナ南部の住民への露国籍付与手続きを簡素化

ロシア連邦のプーチン大統領は25日、ロシアが今年2月24日以降に占領したウクライナ南部のヘルソン州とザポリッジャ州の住民に対して、ロシア国籍を簡素手続きで付与できるようにする大統領令に署名した。

同大統領令がロシア連邦の法律情報オンラインポータルサイトに掲載された

今回公開された大統領令は、2019年4月にロシア政権がウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLR)の住民に対して施行したロシア国籍取得手続き簡素化の対象を拡大するもの。対象地域の住民によるロシア国籍付与申請は提出から3か月以内に審議されなければならないと定められている。

なお、今年2月24日のロシアによる対ウクライナ全面的侵攻開始以降、ヘルソン州とザポリッジャ州の大半がロシア軍の支配下に置かれている。ロシアは、これらウクライナ南部の2州をCADLRと占領下クリミアを繋ぐ「陸上回廊」の設置とクリミアへの水供給のために、重要視していると考えられている。ロシアが一方的に「任命」しているこれらの地域のいわゆる「首長」は、同地のロシアへの編入を望むと発言している。

ロシア連邦は、これまでも2014年以降に占領したクリミアやCADLRにて、住民へのロシア国籍の付与を続け、占領問題の解決を複雑化させてきた(パスポータイゼーション)。