ウクライナはドンバス地方の広範な自治を決して認めない=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は13日、ロシアがドンバス地方にてあらゆるものを破壊し、何千もの人を殺した以上、ドンバス地方に自治を認めることは決してないと発言した。

ゼレンシキー大統領が伊テレビ局『ライ1』へのインタビュー時に発言した。ゼレンシキー氏がテレグラム・チャンネルでインタビューを公開した

記者が、ウクライナが東部の二つの自称「共和国」に広範な自治を認めないのはなぜかと質問すると、ゼレンシキー氏は、「ドンバスの広範な自治? そこには何も残っていない。どんな広範な自治だ? どういうことだ?(中略)その土地の何らかのフォーマットについて話す前に、何万人もの人を殺してはいけないのだ。そこに問題がある。彼らは、殺し、破壊した後で、自治をくれと話している。私たちは、彼らの自治を決して認めない」と強調した。

ゼレンシキー氏はまた、ウクライナはドンバス地方に水を供給し、8年間ウクライナ政府管理下にあった町や村を発展させてきたのに、ロシアが今回全てを破壊してしまったと指摘した。

同氏は、「彼らが提案していたのは広範な自治ではない。彼らは、そのいわゆる『共和国』を個別の共和国として承認したのだ。そして彼らは、ロシア連邦には加わっていない。何らかの自治について話す場合、その自治は何らかの国家に属していなければならない。彼らは、自らを個別のものだとし、自らを分断したのだ。彼らは、その偽共和国の憲法を書いては、ドネツィク州とルハンシク州の全ての領土が彼らの土地だなどと発言したのだ。しかし、そこには私たちが住んでおり、私たちが全てを発展させてきたのである。それを今になって、彼らは、それは自分たちの土地だなどと良い、ロシアはそれを個別の独立した偽共和国として認めたのだ。そして戦争が始まった。あたかもドンバスをナチスから浄化するためだという。全てのことを真っ逆さまにひっくり返したのである。そうなってしまっては、彼らは自らの違法な行為を正当化することなどできない」と指摘した。

また同氏は、何らかの自治の話など誰も提示していないとし、「ロシアはシンプルに戦争を仕掛けたのであり、その後に自治の問題を提示できるとでも?」と発言した。

なお、2月21日、ロシアのプーチン大統領は自らが支配していたドネツィク・ルハンシク2州一部地域を「ドネツィク人民共和国(DPR)」「ルハンシク人民共和国(LPR)」という「独立国家」として承認すると発表した。さらに、同月24日、ロシアはウクライナに対する全面的侵攻を開始した。

写真:大統領府