ウクライナの平和と安全について話すことが露にとっての唯一のチャンス=ゼレンシキー大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は19日、ロシア軍のウクライナでの戦術はロシア自体の状況悪化をもたらしているとし、ウクライナのための平和と安全について協議することがロシアの自らの過ちによって生じているダメージを減らすための唯一のチャンスだと主張した。

ゼレンシキー大統領が19日未明の動画メッセージで発言した

ゼレンシキー氏は、「ロシア軍の私たちの国を制圧する当初の計画は失敗した。彼らが私たちとあと何ができるかわからないでいるように感じる。ロシア軍の指揮官たちも政治指導者に対して、残酷で誤りのある私たちを、ウクライナを疲弊させる戦術以外には何も提案できずにいるのではないかと思える。自治体、平和な町、人々、子供たちに対して、恒常的にミサイル、空爆、『グラート』『ウラガン』で攻撃する以外には何も。非軍事的インフラ、集合住宅、病院、学校、教会を破壊する以外には何も。しかし、ロシア軍人のその戦術は、ロシア国家の状況を悪化させるだけである。それは、さらなる破壊的制裁を招く。それにより、私たちの反戦連合へ新たな参加者が加わる。それは、これまでずっと中立でいようとしていた国家すらも対ロシア圧力で団結させている。そのため、平和の協議、私たち、ウクライナにとっての安全の協議、中身のある、正直で、遅滞のない協議が、ロシアが自らの過ちによるダメージを減らすための唯一のチャンスなのだ」と発言した。

ゼレンシキー氏はまた、ウクライナは常に協議を主張し、対話と平和のための解決策を提案してきたと強調し、「私は、皆が、特にモスクワにいる全員が今、私の話を聞いて欲しいと思っている。会談する時が来た。話す時が。ウクライナのために領土一体性と正義を回復する時が来た。そうでなければ、ロシアの損失は、あなた方が数世紀立ち上がれなくなるほどの規模になる」と発言した。

その他ゼレンシキー氏は、同日ロシア首都モスクワで開催されたクリミア制圧8周年行事についてコメントした。同氏は、そのイベントには20万人近くの人が加わったとし、それはウクライナに侵攻に参加したロシア軍人とおよそ同じ数だと述べつつ、「モスクワのそのスタジアムに、1万4000人の死体と、数万の負傷者、手足を失った人々が埋まっている図を想像してみてくれ。その侵攻により、すでにそれだけの損失が出ている。それが戦争の代償だ。3週間強でだ。戦争は終わらせねばならない。ウクライナの提案は、テーブルの上にある」と発言した。

加えて同氏は、今後数日も、世界の人々に対してウクライナのための平和への呼びかけを続けていくと述べ、スイス、イスラエル、イタリア、日本への演説が予定されていると発言した。

なお、ウクライナでは、2月24日から、ロシア軍による侵略戦争が続いている。

ゼレンシキー大統領は、20日にイスラエル、22日にイタリア、23日に日本にて、各国国会でのオンライン演説を行う予定となっている。