ゼレンシキー宇大統領、世界のユダヤ人コミュニティに露軍のホロコースト現場攻撃に沈黙しないよう呼びかけ

ウクライナのゼレンシキー大統領は2日、世界中のユダヤ人に対して、キーウ(キエフ)市内のホロコースト現場「バービン・ヤール」へのロシア軍のミサイル攻撃について発言をするよう要請した。

ゼレンシキー大統領が同日朝の呼びかけ動画にて発言した

ゼレンシキー氏は、「そのような場所をミサイルの標的とするためには、誰ならできるのか。あなたは、ホロコースト犠牲者を再び殺している。(中略)何のために爆撃するのだ? それは人間性の枠を超えている。そのようなミサイル攻撃は、ロシアの多くの人にとって、キーウが全くもって他人の街だということを示している。彼らは、私たちの首都のことを、私たちの歴史のことを何も知らない。しかし、私たちの歴史を、私たちの国を、私たち皆を抹消せよという命令があるのだ」と発言した。

同氏はまた、敵が非常に残酷であると述べ、昨晩、ロシア軍がキーウのウクライナ人を爆撃し、その後、バービン・ヤールにミサイルが着弾したと指摘した。同氏は、「全世界が常に『二度と繰り返さない』と約束しているにもかかわらずだ。私たちの歴史、世界史を知る普通の人にとっては、バービン・ヤールがキーウの特別な場所であること、欧州の特別な場所であること、祈りの場所、この場所でナチスに殺された何十万人の人の追悼の場であるのだ」と強調した。

同氏は、世界の全てのユダヤ人に対して、「何が起きているのか、まさか見ていないのであろうか? 今、世界中の何百万のユダヤ人が沈黙しないことが非常に重要だ。沈黙の中にナチズムは生まれる。だから、民間人への殺人について叫んで欲しい。ウクライナ人への殺人について叫んで欲しい」と呼びかけた。

これに先立ち、1日、ウクライナへの侵略を続けるロシア軍は、キーウ市のテレビ塔への攻撃を行った際に、バービン・ヤールにも被害が及んでいた。