モルドバの有権者は地政学的状況を理解して投票した=専門家

モルドバの有権者は地政学的状況を理解して投票した=専門家

ウクルインフォルム
ドイツ外交政策協会(DGAP)の専門家アナスタシヤ・ポチュムバン氏は、28日に投票が行われたモルドバの議会選挙における親欧州政党PASの勝利は、モルドバ国民が地政学的リスクを認識して、ロシアの圧力に屈しなかったことを示していると考えている。

ポチュムバン氏がウクルインフォルムにコメントした。

同氏は、モルドバにて選挙の投票日の前に行われた世論調査では、約30〜40%の有権者が投票先を決めていないと述べていたことを考えれば、親欧州政党PASが大きな勝利を収めたことは印象的に見えると指摘した。

また同氏は、それは高い地政学的なリスクが影響したことであり、有権者がそれを理解したということだろうと指摘した。同氏はその際、「人々は、どれだけその選挙が重要かを理解した。PASについてそれほど確信が持てない人にとっても、それ以外ではモルドバに完全に親露的な政府、ないしは、ロシアが簡単に活動に介入でき、欧州統合を破綻させることのできる政権が誕生してしまうことが明らかだったのだ。よって、PASは信頼のテストをクリアし、改革継続のための2度目のチャンスを得た」と発言した。

ロシアの選挙への大規模介入について、同氏は、「実質的にハイブリッド戦争」だと形容しつつ、PASは適切に対応し、国民に対して存在する脅威に関して上手に情報を提供したため、「ロシアより一歩先に行くことができた。それは適切に評価すべきだ」とコメントした。

その他同氏は、今回予想外に「家に民主主義」党(PPDA)が議席獲得のための5%の得票率閾値を超えて議席を獲得したことを指摘した。同氏は、「同党はルーマニアの極右政党AURが支持している。彼らは概してTikTokを通じて5%の票を得た」と発言した。

同氏はまた、選挙戦の際に親欧州をうたっていたとしても、どの政治勢力が本当に親欧州なのかは結局のところ議会での実際の活動のみが示すとし、それは約8%得票した「代替」党や、約6%得票したレナト・ウサトイの政党についても同様だと指摘した。

さらに同氏は、「興味深いのは、トランスニストリア地域(編集注:被占領下モルドバ領)の住民の30%が実質的にPASに投票したことだ」と述べ、親欧州勢力はこの事実を分析して活かすべきだと主張した。

同氏は加えて、モルドバ新政権にとっては、実感できる経済改革を積極的に実現することが極めて重要となると述べた。

これに先立ち、28日、モルドバでは議会選挙の投票が行われ、サンドゥ大統領系の与党PASが過半数の支持を獲得した。

ウクライナのゼレンシキー大統領は29日、前日に議会選挙が行われたモルドバのサンドゥ大統領と電話会談を行い、同選挙勝利を祝福するメッセージを伝えていた


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