「拉致された児童は犠牲者」=オレーナ宇大統領夫人、ロシアによるウクライナ児童の個人情報変更事例を報告

「拉致された児童は犠牲者」=オレーナ宇大統領夫人、ロシアによるウクライナ児童の個人情報変更事例を報告

ウクルインフォルム
ウクライナのオレーナ・ゼレンシカ大統領夫人は23日、ロシアによるウクライナ児童の拉致件数が多くなることで、人々が事態に慣れてしまうことのないようパートナーたちに訴えた。

オレーナ大統領夫人が、国連総会第80回会合の際にニューヨークで開催されているウクライナ児童返還国際連合会合の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

オレーナ夫人は、「『1つの犯罪は悲劇であり、多くの犯罪は統計である』ということわざがある。もし1人の児童が拉致されたら、私たちは憤慨し、正義を要求するだろう。しかし、国家全体が自国の機構と軍を用いて、1人ではなく何千人もの子どもを拉致したら、何が起きただろうか? 私たちは、そのような犯罪が『統計データ』になることを許してはならない。しかし、それこそがロシアがウクライナで行っていることなのだ」と強調した。

また同氏は、ロシア軍がウクライナ南部ヘルソンを占領した時、教育者たちが48人の児童を教会の地下室に隠した出来事を伝えた。

その際同氏は、「その中には、当時、生後10か月だったマルハリータ・プロコペンコちゃんがいた。その後、病院で気管支炎の治療を受けている際に、その子はいわゆる『検査』なるものの際にロシア当局者に捕まり、モスクワに連れて行かれ、そこでプーチンに近い人物であるロシア当局者に不法に養子にされた。この少女には、『マリーナ・ミロノヴァ』という新しい名前と、新しい出生地『ロシア』が記載された偽の出生証明書が発行された。事実上、彼女の個人情報は消去されたのだ」と語った。

同氏はさらに、前述の48人の児童のうち、わずか7人だけがウクライナに帰還できており、残りはロシアに留められたままだと伝えた。

そして同氏は、「これは『移住』や『避難』ではない。これらの児童は抑圧の犠牲者なのだ。彼らの個人情報は変更され、彼らの絆は断ち切られ、彼らの希望は破壊されている。ウクライナは彼らを全員、自力では戻すことができない。ロシアは国際機関にすら情報を提供することを拒否し、ジュネーヴ条約を無視している。だからこそ、ウクライナはパートナーたちと共に、ウクライナの児童を帰還させるための国の連合を創設したのだ。私は米国、カナダ、そして最初から合流していた全ての国々に感謝している。今日、この連合には41か国と欧州評議会が参加している。これらの共同の努力のおかげで、1625人の児童を帰還させるられた」と伝えた。


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