
ロシアを過大評価すべきでない=シビハ宇外相
シビハ外相がXアカウントに書き込んだ。
シビハ外相は、前線の状況はこれまでも今も緊迫し、困難なままだとしつつも、ロシア軍は膨大な努力と資源を投入したにもかかわらず、前線を突破することができていないと指摘した。
そして同氏は、「ロシアが戦争に勝っているという一般的な予想は誤りである。この見方は、外国の分析者に見られる、ウクライナの過小評価とロシアの過大評価という、よくある傾向に基づいている。このアプローチはこれまで何度も誤りであることが証明されてきたにもかかわらず、コメンテーターの中には同じ罠にはまり続けている者がいる」と指摘した。
同氏はまた、実際には、昨年および今冬のロシア軍の攻勢はおおむね勢いを失っていると指摘し、同時にウクライナはかなりの程度前線を安定させ、東部のポクロウシク周辺などの一部地域で領土を奪還したと伝えた。
さらに同氏は、ロシアは一部地域で極めて高い代償を払って最小限の前進をしているにすぎないとし、毎日1000人以上の兵士を戦死または負傷によって失っていると指摘した上で、「これは、1平方メートルあたりの犠牲の中では、現代史史上どの軍が払った者よりも血にまみれたものだ」と強調した。
同氏はそして、ロシア側の損害はあまりに大きく、クレムリンは北朝鮮政権に支援を求めざるを得なくなり、クルスク州での戦闘に1万2000人以上の北朝鮮兵士が投入されたことを喚起した。加えて同氏は、その際ロシアはクルスク州を数か月で奪還する計画であったが、9か月近くかけても完遂できていないと指摘した。さらに同氏は、ドネツィク州では、ロシア軍は現在の進軍速度では、同州全体を制圧するには何年もかかると述べた。
その上で同氏は、「現在の情勢を踏まえると、ロシアの全面侵攻が完全な惨事であったという全体像を見失うべきではない。ロシアは当初、全面侵攻を、ウクライナを数日で破滅させ、その首脳陣を打倒するための電撃戦として計画していたのだ。しかし、3年以上が経過した今、ロシアは95万人以上の兵士を戦死または負傷によって失いつつ、2022年の侵攻以来、新たにウクライナの州都を1つも制圧できていない。ヘルソンのみが一時的に占領されたが、2022年中にウクライナが解放し、さらに占領地の半分以上を解放した」と指摘した。
同時に同氏は、ウクライナが防衛産業を6倍に拡大し、自らの現在は軍のニーズの約40%を自国でまかなっているとし、さらに無人航空機に至っては、2025年3月だけで、前線で破壊したロシア軍の標的約7万7000点の内95%は、ウクライナ製無人機によるものだと報告した。同氏は、この数字は2月比で10%増加しており、ウクライナの無人機生産能力は毎週拡大しており、現在前線で破壊される標的のおよそ4分の3が無人機によるものだと伝えた。
その上で同氏は、「ウクライナは世界中の誰よりも平和を望んでいる。私たちはこの戦争を望んだことはなく、一刻も早く終わらせたいと思っている。そのために米国、欧州、その他のパートナーたちと平和を実現するため一緒に懸命に協力している。この道筋は、正確な情報、予想、評価に基づかなければならない。私たちは、状況を好転させられるかもしれないというモスクワの幻想を断ち切らせるために、ロシアに対する圧力とウクライナの明確な強化を呼びかけている。そのような措置により、クレムリンに戦争拡大ではなく戦争終結について考えさせることができるのだ」と呼びかけた。