国際司法裁判所、ジェノサイド条約に従ったウクライナ対ロシア案件の裁判権を承認

国際司法裁判所、ジェノサイド条約に従ったウクライナ対ロシア案件の裁判権を承認

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ウクルインフォルム
ハーグの国際司法裁判所(ICJ)は、2日の公開会合にて、同裁判所に「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約」、通称「ジェノサイド条約」に関するウクライナ対ロシアの係争案件を審議する裁判権があるとする決定を採択した。

ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。

ICJは、ウクライナはジェノサイド条約に従った自らの義務に違反していないと主張する、ウクライナの提訴を審議する裁判権を有していることを認めた。

その際ICJは、ジェノサイド条約第9条を根拠にし、ウクライナによる「ウクライナがジェノサイド条約に違反する形でウクライナ領ドネツィク・ルハンシク両州にてジェノサイドを行ったことの責任があるとする主張に確たる証拠がないことに判決を下して発表する」ことを求める、同国提出の覚書の第178項の(b)を審議する裁判権があるとの結論を下したという。

同時にICJは、同覚書の同じく第178項でウクライナが求めている、(c)の「2022年2月24日に始められたロシア連邦によるウクライナ領においてウクライナに対しての力の行使がジェノサイド条約第1条と第4条に違反しているとの判決を下し、発表する」と(d)の「ロシア連邦による2022年2月21日のいわゆる『ドネツィク人民共和国』といわゆる『ルハンシク人民共和国』の独立承認がジェノサイド条約の第1条と第4条に違反しているとの判決を下し、発表する」については、審議を行う裁判権がないとの判断を下した。

同時に、2022年3月16日に出された暫定措置に関する命令は引き続き効力を持つ。その際、ICJは、ジェノサイドに関するウクライナ対ロシア事件における暫定措置の適用要請を受けて、ロシアに対して、ウクライナにおける軍事行動を即時停止するよう命令していた。

ウクライナ代表のコリネーヴィチ外務省特命大使は、ICJの同決定後、記者団に対し、ウクライナは今後、ICJにて、ロシアが「ジェノサイド」を口にしながら嘘をついていることを証明していくと発言した。

コリネーヴィチ氏は、「この裁判権に関する決定は、ロシアが述べて、全面侵攻の根拠となったその『ジェノサイド』をウクライナが行ったのかどうかという問題をICJが分析していくことを意味する。私たちは、ICJで、当然ながら一切のジェノサイドはなかったこと、ロシア大統領の声明を含め、ロシアが何らかのまやかしのジェノサイドについて言及する際に、同国は嘘をついていたこと、今も嘘をついていることを証明していくことになる」と発言した。

またコリネーヴィチ氏は、ICJの暫定措置命令が効力を有し続けることも非常に重要だとし、「それは、ロシア連邦がウクライナ領におけるあらゆる軍事行動を即時に止める直接的義務下にあり続けることを意味する」と説明した。

これに先立ち、2022年2月24日に、ロシア軍による対ウクライナ全面侵略戦争が始まった。ウクライナは、侵略開始から3日目、ICJにて、ロシアを相手に提訴を行い、ジェノサイドの概念の歪曲による侵略国の責任追及を要求していた。これは、ロシアがウクライナへの侵攻を正当化するために、ウクライナがドネツィク・ルハンシク両州にてジェノサイドを行ってきたとし、「ロシアは軍事力を行使せざるを得なかった」と主張したことを受けて行われたもの。

ICJは同年3月16日、ロシアのウクライナ侵攻に関する審理(ウクライナ対ロシア事件)を開き、ロシアに対して、ウクライナにおける軍事行動を即時停止するよう命令する暫定措置を決定した

2023年6月5日に、ICJは、本件に32か国の介入を認める決定を下している。

同年9月18日から、ICJにてジェノサイド容疑に関するロシア対ウクライナ事件の公聴会が行われ、ウクライナ代表はICJに本件につき裁判権があることを主張していた


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