フォンデアライエン欧州委員会委員長、ウクライナの未完了の改革を指摘
同日キーウ訪問したフォンデアライエン欧州委員長が最高会議(国会)での演説の際に発言した。欧州委員会が演説全文をウェブサイト上に掲載した。
フォンデアライエン氏は、「あなた方は、皆が戦争中の国から予想していたよりもはるかに大きな前進を成し遂げた。あなた方は、全面戦争を戦いながら、深い改革を進めている。ゴールは確かに手の届くところにある。あなた方の汚職対策努力をさらに強化し続け、ロビー活動法を採択し、資産申告の枠組みを2つの側面から強化し、教育を含むベニス委員会の少数民族に関する残りの勧告に対処すること、これらが7つのステップ(勧告)を完全に満たすために必要な措置である」と発言した。
そして同氏は、「あなた方はそれを行える、しかも迅速に。あなた方はもう、その道を90%以上終えている。そして、あなた方が必要とする技術的、政治的サポートの全てを私たちは提供し続ける。私は、あなた方がその野心的ゴールを達成できると確信している。それは、今年中に加盟交渉のプロセスを開始するという歴史的決定のためなのだ」と指摘した。
同時に同氏は、昨年、欧州委員会がEU加盟候補国入りに必要な7つの勧告を提示したことを喚起し、多くの人が野心的すぎると考えていたと伝えた。そして同氏は、他方でウクライナの反応は尋常ではなかったと述べ、ウクライナの人々の願望を満たすべく、国の全ての民主的機構が動員をかけられたと指摘した。同氏は、その結果、ウクライナでは、憲法裁判改革が行われ、高等司法評議会のメンバーが刷新され、反汚職プログラムが採択されたと伝えた。さらに同氏は、資金洗浄対策で進展があり、オリガルヒによる市民生活への影響制限方策が取られ、メディアに関する新法、少数民族問題にも進展があったと指摘した。
その上で同氏は、「ゼレンシキー大統領が述べたように、あなた方は、値引きや近道を求めなかった。代わりに、あなた方は、ウクライナの民主主義は実現できるということを証明したのだ。あなた方が通した改革の幅と深さは驚くべきものであり、驚嘆に値する。(ちゅ略)私たちは、これが必ずしも用意ではないことはわかっている。しかし、これがあらゆる民主主義の普通の道である。私たちは議論する。私たちは意見を異にする。私たちはさらに激しく議論する。そして、私たちは解決策を見つける。そして、実現するのだ」と強調した。
これに先立ち、昨年6月17日、欧州委員会は、ウクライナとモルドバに対してEU加盟候補国地位を付与することを勧告した。その際、欧州委員会は同時に、今後ウクライナにより行われるべき課題のリスト(勧告リスト)を公開していた。
今年10月24日、ゼレンシキー宇大統領は、同国はEU加盟交渉を正式に始めるために欧州委員会が出していた7つの勧告を最大限迅速に履行したと発言していた。