ゼレンシキー宇大統領、ウクライナは欧州理事会に対しEU加盟交渉開始の準備ができていると強調

ゼレンシキー宇大統領、ウクライナは欧州理事会に対しEU加盟交渉開始の準備ができていると強調

ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は26日、同国が欧州連合(EU)加盟交渉を始めるために、欧州委員会から出されていた勧告の1つとなる法律に署名したことを報告した。

ゼレンシキー大統領が欧州理事会会合におけるオンラインスピーチの際に発言した。大統領府広報室が伝えた

ゼレンシキー氏は、「先ほど、私たちの会合の前に、欧州統合的な法律である、非常に重要な法律に署名した。『重要な公的地位を有する者に関する法』だ。これは、ウクライナのEU加盟交渉を始めるための欧州委員会の勧告を履行すべく採択された重要法の1つである(編集注:ウクライナ最高会議が10月17日に採択。EU加盟交渉開始のために採択が必要だった法律の1つ)。同法は、公的な人物の財政モニタリングを著しく強化するものであり、どのような国であれ、政界がこのような決定を採択するのは用意ではない。しかし、今は、簡単な決定で迂回できるような時ではない。なぜなら、今は、命を守るために私たちがもっと強くなれるかどうかが、私たちの1つ1つの決定にかかっている時だからだ。そして、それはウクライナだけに関わることではない」と発言した。

同氏はまた、「私たちには様々なイデオロギー上のアプローチがある。ある者はよりリベラルで、ある者はより保守的だ。国際関係でより活発な者もいれば、自らに別の役割を見ている者もいる。これが欧州だ。大陸には様々な人がいるが、しかし、平等である。そして、大切なことは、命の基本的部分の受け止め方において平等であることだ。具体的には、欧州も全世界も、他民族への軽視や、他民族を消し去ろうとする試みのための場所ではないということだ。子供を将来殺人者にするために憎悪の中で育てるための場所ではない」と発言した。

さらに同氏は、欧州の過去について触れ、「過去には、団結がなかったことで、何百万の人命が消し去られてしまった。今あるような団結がなかったがために」と指摘した。そして、「その過去は、ある民族に存在する権利があるかないかを、誰か1人が決めていた時代、残念ながら誰か1人がそれを決めるだけの力を持っていた時代だ」と強調した。

その上で同氏は、「過去を繰り返さないということは、私たちとあなたたちの歴史的責任である。ロシアが現在戦っているのは、私たちのマリウポリやクリミアに残り続けるためではないことは覚えておかねばならない。ロシアは、クレムリンが望む時に、タルトゥやグダンスクへも向かえるようにするために戦っているのだ。あなた方の多くがそのような過去を経験しただろう」と強調した。

同氏は、ロシアがウクライナの国境を変えたがっているのは、ウクライナのいずれかの州を支配したいからではなく、気に入らない国境全てを変えるためだと述べた。

そして同氏は、「ウクライナのEUやNATOへの加盟を妨害しようとするロシアの努力は、私たちの国にのみに関わる話ではない。それは、はるかに大きなことに関わる。それは、EUやNATOから、すでにその中にいる民を、彼らの意志を尋ねることなく、彼らの頭越しに決めて、彼らを奪い去ることを可能にすることに関することだ。それがクレムリンが慣れ親しんできたことである。この戦争では、欧州がどうあるべきかが決められている。そしてそれは、クレムリンではなく、私たちとあなたたちが決めなければならない」と強調した。

なお、ウクライナは2022年6月23日にEU加盟候補国地位を付与された。その際、ウクライナは、欧州委員会から7つの課題を提示されており、EU加盟交渉を始める前に、これらの課題を履行しなければならない。2023年秋、欧州委員会がウクライナによる同課題の履行状況を評価する報告書を発出する予定となっている。

ウクライナのゼレンシキー大統領は24日、同国は欧州連合(EU)加盟交渉を正式に始めるために欧州委員会が出していた7つの勧告を最大限迅速に履行したと伝えていた

写真:大統領府


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