メルケル独首相、ノルド・ストリーム2問題協議のためにワシントン訪問を計画=独報道
11日、独ハンデルスブラット紙が首相の米訪問の関係者2名の発言をもとに報じた。
報道には、「メルケル氏は、バルト海を通るガスパイプライン『ノルド・ストリーム2』をめぐる米国との対立の解決のためにワシントン訪問を準備している。日程は確定していないが、しかし会談は7月か8月に予定されている」と書かれている。
また、「協議の際には、様々な議題が審議されるが、しかし『ノルド・ストリーム2』は特別目立った役割を担うことになる」と指摘されている。
また同紙は、最近メルケル首相の外政担当補佐官のヤン・ヘッカー氏とバイデン大統領の国家安全保障担当補佐官のジェイク・サリヴァン氏がワシントンにて、「ノルド・ストリーム2」をめぐる状況脱出手段について協議を行なったことを指摘し、その際、対立は解消されなかったものの、「しかし双方とも、会談は建設的だったと述べた」と伝えた。
報道には、その協議の際に、ドイツ側がそのロシアのパイプラインをめぐる対立をどのように和らげるかについての案を提示したとあり、今後、その案は詳細に協議・調整され、バイデン・メルケル会談の際の基本となることが見込まれていると書かれている。
そのドイツが提示したコンセプトは、ドイツからウクライナへの支援を「より目に見える形にする」ことを想定しており、また「対ウクライナ支援の拡大についての熟考」も含んでいるという。
とりわけ報道には、「ウクライナを水素輸出国と変貌させる計画はかなり前からある。エネルギーキャリアとしての水素は、欧州が環境目標を達成しようとする中、欧州にて緊急に必要となっている。そのアイデアは、そのために現存する天然ガスパイプラインネットワークを改造することにある。しかしながら、ウクライナの水素を環境上クリーンな手段で作り出すには、再生可能エネルギー源、特に風力発電への大型投資が必要だ、。そのためには、ウクライナは支援が必要である」と説明されている。
独米首脳は、11日(本日)英国でのG7首脳会談時にもノルド・ストリーム2について意見交換をする可能性がある。同紙は、会談の合間にて二者間協議が行われる見込みだが、「しかし、ガスパイプラインに関する対立解決のためには、時間が少なすぎるだろう」と指摘している。