ロシア、占領下クリミアに32キロの水道管を敷設したと発表
ウクルインフォルム
ロシア連邦国防省は、一時的占領下クリミアにて、「不断の水供給」のために32キロメートルの水道管を敷設したと発表した。
31日、セルゲイ・ショイグ露国防相の発言を露インターファクス通信が報じた。
ショイグ氏は、「(ロシア)軍が一般社会の問題解決に参加している。クリミア住民への不断の水供給のために、全長32キロメートルの臨時水道管を敷設した」と発言した。
同氏はまた、これにより、幹線水管工事の完了までの間、ロシア側の主張するウクライナ政権による「クリミア半島の水封鎖」が解除できたと主張した。
これに先立ち、5月21日、複数のウクライナの報道機関が、ウクライナがクリミアへと水供給を拒否していることにより、国際的緊張が高まっており、人道的惨事をもたらす可能性があるとするロシア外務省代表者による発言を報じていた。これに対して、5月22日、ウクライナ外務省は、クリミアの水不足は、ロシアがクリミアにて大規模な軍事化を進めていることで生じているものだとするコメントを発出している。
なお、2014年のロシアによるクリミア占領開始までは、クリミアへの水供給は、北クリミア水路を通じてドニプロ川下流に作られたカホウカ貯水場の水を用いて行われていた。当時、北クリミア水路を通じた水供給は、クリミアの水需要の最大85%を担っていた。2014年2月以降、ロシアがクリミア占領を始めたことを受け、ドニプロ側からクリミアへの水供給は停止されている。ウクライナ政権は、国際法に従えば、占領時の人道問題の責任は占領国が負うものであり、ウクライナによる水供給の再開はクリミア解放後(占領終了後)とすると説明しており、2021年3月に確定されたクリミア脱占領・再統合戦略にも同様の方針が記述されている。