ゼレンシキー大統領、米露首脳会談とノルド・ストリーム2制裁解除可能性にコメント
ウクルインフォルム
ゼレンシキー大統領は、独露間新ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」関連の制裁解除の可能性が、将来の米露首脳会談の主要な脅威であると発言した。
ゼレンシキー大統領が自身の大統領就任2周年に合わせてキーウ(キエフ)市内のアントノウ社工場で開催した大型記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
大統領は、バイデン米大統領とプーチン露大統領の会談は必要であると強調し、5月初頭にウクライナを訪問したブリンケン米国務長官との間では、ウクライナ問題についてはウクライナ側と調整を行うことで合意したと発言した。
その上でゼレンシキー大統領は、「バイデン大統領は私の立場を知っている。私たちは、米国務長官とそのことについて協議した。彼らがウクライナ問題を議論するのは、私たちとの間で調整した議題のみである」と伝えた。
同時に大統領は、そのような合意はあるものの、問題が生じる可能性は排除されないと指摘し、主なリスクはロシアとの合意、あるいはロシアからの圧力の結果、米国がノルド・ストリーム2の制裁を解除する可能性だと発言した。
大統領は、「(パイプライン「ノルド・ストリーム2」は)約95%がすでに完成している。あと約5%残っているだけだ。私は、それ(編集注:ノルド・ストリーム2の制裁解除)は米国の敗北となると思っている。バイデン大統領個人の敗北となると思っている。私は、それをオープンかつ明確に述べている。それは、ロシア連邦による地政学的な深刻な勝利、そして新たな力と影響力の分割となるであろう」と発言した。
大統領はまた、本件に関してはウクライナのパートナー国と米議会に統一見解がないことに注意を向け、「それは深刻なゲームである。それはエネルギー安全保障だけの話ではない。(中略)率直に行って、私は、その状況を懸念している」と強調した。