独企業、露天然ガスパイプライン建設から撤退
ウクルインフォルム
ロシア・ドイツ間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建造計画に参加するドイツの建設会社ビルフィンガーSE社が、同プロジェクトから撤退した。ドイツ企業の撤退は初めて。
19日、ドイツのビルト紙がビルフィンガー社へ問い合わせて明らかになった。
撤退の決定は、ドイツのマンハイム市の関連企業が米国の制裁を恐れていることが理由だという。
同社は、建造プロジェクトを担うノルド・ストリーム2社との間に複数の契約を有しており、技術管理システムの設計、提供、利用開始、パイプラインの動作安全に関わる業務を担っていた。同社が受けていた注文の総額は1500万ユーロだという。同社は、ロシアの企業との間で予備の天然ガスを用いた火力発電所の設計、供給、利用開始に関する契約も結んでいた。
ビルト紙によると、ビルフィンガー社は12月時点でノルド・ストリーム2との関係と契約を全て破棄すると答えており、先週、破棄を改めて認めたのだという。同社幹部は、欧州エネルギー安全保障明確化法(PEESCA)の条項を維持していくと明言しているという。
なお、ロシアとドイツを結ぶことを予定しているノルド・ストリーム2は、全長1200キロメートルで、すでに94%が建設されている。完成すると年間550億立方メートルのガスを送ることが可能となると説明されている。ウクライナを迂回すること、欧州の対露エネルギー依存を高めることから、ウクライナ、米国、ポーランド、バルト諸国が同パイプラインの建設に反対を表明している。
米国が2019年12月に発効した対ノルド・ストリーム2制裁により、現在同パイプラインの建設作業は停止している。さらに、米国の2021年会計年度の国防予算を定める国防権限法(採択済み)にも、同パイプラインへの追加制裁が含まれている。