「露の侵略は、人類が世界大戦から教訓を得られていないことを証明した」=ゼレンシキー大統領、国連にて
21日、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領が第75回国連総会の参加者へのビデオ形式の演説の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー大統領は、「75年前の国連創設は、人類は第二次世界大戦から悲劇的教訓を得るべき、ということを象徴していた。しかしながら、クリミアの占領、ドンバスへのロシアの軍事侵略は、その教訓が身についていないことを証明している」と発言した。
大統領は、「それは単なる『ウクライナにおける戦争』ではない。それは欧州における戦争なのだ」と強調した。
また大統領は、「それは単なる独立国家の主権への侵害ではない。それは、世界を複数の影響圏へ分割する時代に戻そうという試みである」と指摘し、その上で、世界の国々に対して、世界の平和と繁栄という基本的価値を達成するために努力を集結させるよう呼びかけた。
加えて、大統領は、「過去75年で、人類は最上の高みに上り、最深地点まで潜り、宇宙にも到達し、新たな技術により、国連の会合が遠隔でできるようにすらなった。その中で、私たちは本当に侵略や戦争を止めることができないのだろうか?」と指摘した。
大統領は、世界は、この地球上の自らの存在を再考するのに、更なる血塗られた教訓は必要ないはずだと強調し、「今年のコロナウイルスの世界的拡散は、全ての国にとってショックであった。私たちは、対立を止め、真に急進的成果の達成に向けた努力を結集すべく、この警告を利用しなければならない」と発言した。
その上で大統領は、諸国に対して改めて国連憲章の目的と原則を完全に実践するよう呼びかけた。大統領は、「今始めよう。代わりとなる惑星は存在しない。私たちは、ここに一度きりで生きているのだ」と強調した。
なお、21日、ニューヨークにて国連総会が始まっている。今年は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、多くの行事がオンライン形式で開催される。多くの国の首脳がビデオメッセージを作成し、これらが国連総会の議場にて映し出されている。
写真:大統領府