ウクライナ内閣改造まとめ
ウクライナ憲法では、首相は、大統領の提案を受けて最高会議により任命される。
国防相と外相もまた、大統領の提案をもって最高会議が任命する。その他の閣僚は、首相の提案をもって最高会議が任命する。
ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、3月4日の臨時会合の際、ホンチャルーク内閣は「成果を挙げている」と指摘した。大統領の認めた成果とは、インフラ低減、中央銀行の凄惨金利低減、ギャンブルや違法ガソリンスタンドといったシャドーエコノミーとの闘い、国営企業の民営化推進、中小企業への融資、経済における国家の役割縮小である。同時に大統領は、これだけの成果では少なすぎると述べ、非効率な密輸との闘い、予算不履行、産業レベルの低下によりホンチャルーク内閣を批判した。
ホンチャルーク氏は、自身の内閣の閣僚に対してこれまでの仕事につき謝意を伝え、同内閣には汚職がなかったこと、体系的に汚職と闘ってきたこと、今後の国家の発展のための基礎を作ったことを強調した。
44歳のデニス・シュミハリ新首相は、前内閣で副首相兼地方自治体発展相を務めていた人物。それ以前は、イヴァノ=フランキウシク州行政府長官を担っていた。経済専門。同首相の任命には、最高会議議員291名が賛成した。
首相の解任は、自動的に内閣総辞職となる。同日、最高会議は、議員277名の賛成により、新しい内閣を確定した。
前内閣から残留したのは、ミハイロ・フェドロウ副首相兼デジタル移行相、デニス・マリューシカ司法相、ウラディスラウ・クリクリー・インフラ相、アルセン・アヴァコウ内務相の4人。また、ヴァディム・プリスタイコ前外相とドミトロー・クレーバ前欧州・欧州大西洋担当副首相がポストを交代した。
新設ポストの一時的被占領地再統合問題副首相に就いたのは、オレクシー・レズニコウ氏。同氏はこれまで、三者コンタクト・グループ(TCG)の政治問題作業部会にてウクライナ代表を務めていた人物である。文化・若者・スポーツ省は分割され、若者・スポーツ相に就いたのは、以前キーウ市行政府の局長を務めていたヴァディム・フトツァイト氏。退役兵・一時的被占領地・国内避難民省は、退役兵省となり、参謀副総長を務めていたセルヒー・ベッサラブ氏が就いた。
保健相には、医師であるイッリャ・イェメツ氏が就任(2010~11年に同職を務めていた人物)。社会政策相には、かつて国家社会庁長官を務めていたマリーナ・ラゼーブナ氏が就いた。閣僚会議相は、元若者・スポーツ省事務次官のオレフ・ネムチノウ氏が就任。財務省には、元大統領補佐官の、イーホル・ウーマンシキー氏が就任。地方自治体発展相には、元キーウ州行政府長官のオレクシー・チェルニショウ氏が任命された。
また、最高会議は別途、大統領提案の中将であるアンドリー・タラン氏を国防相に任命した。
教育・科学相、エネルギー・環境保護相、経済・貿易・農業発展相、文化相は、現時点で空席である。
シュミハリ首相は、国家関税庁幹部を参加させた上で政府の金融関係省庁代表者との会議開催、非中央集権化の憲法改正準備、医療改革継続、世銀を関与させた上での炭鉱地域の再生を約束した。
新内閣はまた、中・大ビジネス向けの経済プログラムの作成を計画している他、国内外投資誘致も予定している。
シュミハリ首相は、農地市場は何よりまずウクライナ国民に対してオープンでなくてはならず、外国人のための売買は国民投票を通じて決めると述べている。
ウクルインフォルム