ロシアのウクライナ侵略は、主権を守るには核兵器が必要だということを示した=独研究者

ロシアのウクライナ侵略は、主権を守るには核兵器が必要だということを示した=独研究者

ウクルインフォルム
ブダペスト覚書の不履行とロシアによる対ウクライナ侵略は、核兵器不拡散条約(NPT)に対して疑問を突きつけることになり、全ての国を国家の主権を守るには核兵器を保有する必要があるという論理に向かわせることになっている。

23日、アンドレアス・ウムランド国際関係研究所(プラハ)欧州安全保障センター上級研究員が、ウィーン外交アカデミーにて開催された、ブダペスト覚書25周年記念パネルディスカッションの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ウムランド氏は、「ブダペスト覚書を巡る全てのエピソードの伝える主要なメッセージは、『あなたが必要なものは爆弾であり、核兵器不拡散条約(NPT)やらブダペスト覚書やらの合意文書でも、その他の何かでもない』というものだ。あなたが、自らの主権、国境、領土一体性を守るために必要なものは核兵器だ、ということだ」と発言した。

同氏はまた、通称「ブダペスト覚書」と呼ばれる「核兵器不拡散条約(NPT)へのウクライナの加盟に関係した安全の保証に関する覚書」へのロシア連邦の違反は例外的なものではなく、ロシアは、ウクライナを侵略することで、その他の二国間合意や多国間条約にも違反したことを指摘した。

また同氏は、ウクライナ、米国、英国、ロシア連邦の4国で締結された1994年12月付ブダペスト覚書は「若干、付加的な物だった」と指摘し、その理由として、同覚書が1994年1月に米国、ロシア、ウクライナの3国大統領の間の合意への実質的な追加文書であったからだと説明した。

その上で同氏は、「重要な事実は、ブダペスト覚書が単なる署名4国の合意ではないということだ。同覚書は、ウクライナの核不拡散条約への加盟と結びついていることである。そして、その核不拡散条約は、おそらく人類史全体における最も重要な条約の一つなのだ」と強調した。

ウムランド氏は、英国がブダペスト覚書の協議プロセスに参加していなかったにもかかわらず、同覚書に署名することになった理由として、同国が「1968年の核不拡散体制を創設した3国の内の1つであり、NPTの保証国の一つだからだ」と説明し、「正にその役割で、英国はブダペスト覚書に署名したのであり、それが、同覚書が核不拡散体制と結びついていることを示している。それゆえに、単なる4国の合意ではないのだ。同合意は、言うなれば、核不拡散条約の枠内でのロシアとウクライナという二国への義務への、ある種の追加文書なのだ」と指摘した。

更に、ウムランド氏は、「ウクライナはソ連崩壊後に核弾頭を維持したり、管理したりする能力がなかった」との指摘に対しては、ウクライナの専門家やハーバード大学の研究者の研究によれば、ウクライナは「複数の戦略ミサイルや核弾頭を保持する能力があった」ことが指摘されていると説明した。その上で、同氏は、「(ウクライナがこれらを所有していれば)状況を完全に変化させていたであろう」と指摘し、「その場合、状況は次のようであったであろう。クリミアは、言うまでもなく魅力的であろうが、しかし、ウクライナが核弾頭を持っていたら、その観点から、クリミアのためにモスクワをリスクにさらす準備があったであろうか?」とコメントした。

同氏はまた、「核不拡散体制全体の別の問題は、同条約が非対称的である点だ。NPTには核不拡散体制について書かれているが、そこには国連安保理常任理事国の5か国にとっての例外が設けられており、これらの国は、他国と違い、核兵器を運用することが例外的に認められているのだ」と指摘した。

その上でウムランド氏は、ロシアが核兵器を保有していることは、同国がウクライナに対する侵略を自由に行え、その他の国家がその侵略に対して適切に対応しなかったことに影響を及ぼしていると述べ、「クリミア併合とドンバス戦争に繋がるこの話は全て、もちろん、ウクライナが核兵器を保有していなかったというだけの話ではない。この話の別の側面は、ロシアが核兵器を持っていたという点にある。そうでなければ、西側は、ユーゴスラビア、イラク、リビアに対して行なったような対応が取れたであろう。しかし、西側はそのように行動しなかったのだ」と発言した。

同氏は、「NPT全体が、足から頭までひっくり返ってしまったのだ。なぜなら、今、NPTは、自らの領土を拡大するために核兵器を持たなければならないということを意味してしまっているからだ。クリミア半島に目を向けさせている。同条約によれば、ロシアは核兵器を保有することが認められているが、しかし、ウクライナは核兵器を持つことが禁止されており、隣国により領土を失っている。それが大きな問題なのだ」と強調した。

また同氏は、更なる問題として、ブダペスト覚書につき、同様の声明を出すことでウクライナに同じ内容の保証を正式に表明した、中国とフランスの二国の行動を挙げた。同氏は、中国が2014年3月、国連総会の際のクリミア違法併合に関する投票の際に棄権したこと、そしてフランスの議員が被占領下クリミアを訪問し、フランス大統領が「ロシアとの何らかの合意」を進めようとしていることが問題であると指摘した。


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