外務省、ロシアに対し「人道車列」のウクライナ領違法侵入に抗議
7日、ウクライナ外務省がコメントを公表した。
発表には、11月7日、ロシア側は再度、ウクライナ側が現在閉鎖している国境検問地点「イズヴァリネ」と「ウスペンカ」を通じて、いわゆる「人道車列」をドネツィク・ルハンシク両州被占領地域へと違法に進入させたと書かれている。
ロシアの今回の越境は、過去同様、国際法、二国間協定、ウクライナ国内法の規範・原則、事前に合意した、国際赤十字委員会代表者の同行といった人道支援配布のモダリティに違反したと書かれている。
コメントには、「これにより、ウクライナ国内法の定める、ウクライナの国境警備隊員、税関職員による積載物に対する必須手続きが実行されていない。これに関し、ウクライナ外務省は、ロシア外務省に対して、ウクライナの主権に対する国際的違法行為を停止するよう要求する抗議の口上書を送付した」と書かれている。
更に、ウクライナ外務省は、ロシア側が今後、本年11月14日、21日、28日、12月5日、12日に予定している、更なる自称「人道車列」に関し、一貫して国際法、ウクライナ国内法、国際義務を遵守しするよう要求している。
また、これに先立ち、7日、欧州安保協力機構(OSCE)国境監視団(OM)は、ロシア側国境検問地点「グコヴォ」と「ドネツク」にて、ロシアの13台の車両からなる車列がドンバス地方のウクライナ政府のコントロールできていない領域へ向けて進入したことを報告している。車両の一つには、「ロシア連邦からの人道支援」と書かれていたという。
なお、ロシアは、2014年8月から、ウクライナのドンバス地方へ向けて、「人道車列」と名付けるトラックの車列を違法に侵入させ続けている。
ウクライナ外務省は、これまでも繰り返しロシア連邦に対して、「人道車列」を名目とするウクライナ主権の侵害をやめるよう要求している。