メルケル独首相、ウクライナ問題に対するドイツの態度を説明
29日、ベルリンで開催されている第3回ウクライナ・ドイツ・ビジネス・フォーラムで発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メルケル首相は、「私たちは、平和な解決方法を見つけることに賛成である。しかし、私たちは、マリウポリのような町が他との繋がりを断ち切られることのないよう、あらゆることを行わなければならない。これに関し、私は、G20の会談でロシア大統領に対して本件を提起する」と発言した。また、メルケル首相は、アゾフ地域がまもなく解放されることを期待すると述べた。
また、同首相は、この2つの国の対立が武力でもって解決されることがあってはならないと指摘した。
メルケル首相は、クリミアについては、1991年にウクライナが独立を宣言した時、クリミアで行われた国民投票で住民がウクライナの一部となることを決めたのだと喚起した。また、同首相は、ケルチ橋の建設を非難した。
また、同首相は、ドイツとフランスは、今後も「ノルマンディ・フォーマット」で作業をしていく準備があると述べた。
ミンスク諸合意については、同首相は、この諸合意が情勢沈静化に貢献したことは事実であるが、一方で、停戦も政治的解決ももたらしてはいないし、ウクライナも東部の自国の国境へのアクセスを得られていないと指摘した。
その上で、対露制裁は、制裁自体が目的なのではないことに注意を向け、「現在西側は、ロシアと接する国々には自らの発展の方向性を自らで選ぶ権利があるということを、(ロシアに)わからせたいのである。それは、国際秩序の基本である」と強調した。その上で、同首相は、ドイツのビジネス界の多くの人が、ロシアとの良好な関係を欲しており、制裁に不平を述べているとしつつ、「しかし、これは非常に原則的な問題なのである」と発言した。
そして、メルケル首相は、ウクライナは核兵器を放棄した代わりに安全の保証を得たのであり、西側は「約束したことを履行する義務がある」と強調した。