
EUとモルドバ、ロシアの対ウクライナ侵略と対モルドバ・ハイブリッド攻撃を非難
欧州委員会ウェブサイトに共同宣言が掲載された。
共同宣言には、「ロシアによるウクライナに対する不当でいわれのない軍事侵略によって引き起こされた地域の安全保障への脅威がエスカレートする中、EUとモルドバは、政治的にも経済的にもかつてないほどに緊密に協力している。私たちは、ロシアによる対ウクライナ軍事侵略を改めて断固として非難する。この文脈において、私たちはこれらの脅威に共に対抗し、EUのモルドバの主権、安定、強靭性、経済発展への揺るぎない支援を再確認する」と書かれている。
またEUは、モルドバとの連帯と、ロシアからのハイブリッド脅威やサイバー脅威に対抗するための支援を再確認し、モルドバのデジタル変革と、とりわけサイバー即応チームを通じたサイバーセキュリティを引き続き支援する準備があるとしている。

ロシアによるモルドバの選挙への介入の試みには、特に注意が払われている。
宣言には、「モルドバの未来は、外部圧力、外国からの干渉、印象操作なしに、モルドバ国民によって自由かつ民主的に決定されねばならない。私たちは、モルドバの民主的な選挙を破綻させることを目的とした、ロシアによる恒常的かつ増大するハイブリッド脅威、情報環境への操作と干渉、そして現地の仲介者を通じた大規模な選挙不正スキームの利用を断固として非難する」と書かれている。
さらに、EUは、モルドバの安定を揺るがす行為との闘いにおいて、特に「EUモルドバ・パートナーシップ・ミッション(EUPM)」を通じて、モルドバの強靭性を支援することに引き続きコミットしており、利用可能な他のあらゆる手段を動員する用意があると伝えている。

その他、EUは、モルドバがエネルギー安全保障を強化し、強靭性を向上し、ロシアのエネルギー資源への依存度を減らす上で達成した進展を歓迎し、同問題におけるさらなる進展への期待を表明した。
その際宣言には、「私たちは、ロシアによるモルドバの政治情勢を不安定化させることを目的としたエネルギーの武器化の継続を断固として非難する。ロシアからのエネルギー部門への絶え間ない圧力に直面する中、EUとその加盟国は断固として行動し、モルドバとその国民との連帯を表明し、エネルギー危機の際の市民と企業に決定的な支援を提供し、モルドバのEUエネルギー市場への完全な統合のための改革を推進している」と書かれている。
加えて、双方は「国際的に認められた国境内でのモルドバの主権と領土一体性に対する断固とした揺るぎない支持」を再確認した。
EUとモルドバは、同国の包括的で平和的かつ永続的な再統合へのコミットメントを共有していることを強調し、ロシアに対し、モルドバ領被占領地トランスニストリア地域からロシア全ての軍事部隊と弾薬を撤退させるよう求めた。
なお、4日、キシナウでは、第1回EUモルドバ首脳会議が開催され、サンドゥ・モルドバ大統領、コスタ欧州理事会議長、フォンデアライエン欧州委員会委員長が出席していた。