露軍、ウクライナ軍訓練場をミサイル攻撃 死者12人、負傷者60人強 陸軍司令官が辞意
陸軍広報室は、フェイスブック・アカウントにて、同攻撃により死傷者が出たと報告した。
発表には、「本日、6月1日、敵はウクライナ陸軍の訓練部隊の位置する場所へとミサイル攻撃を行った。残念ながら、軍人に死傷者が出ている」とあり、死者が12名、負傷者が60名以上出たと報告されている。
また陸軍は、現場では隊列や兵士の大規模集会は行われていなかったとし、「空襲警報が発令された後、大半の兵士はシェルターへと避難していた」と伝えた。
兵員の死傷の状況と原因を解明するために、陸軍司令部内に委員会が設置され、内部調査が定められたという。
そして、作戦司令部「スヒード(東)」の司令部と兵員は、法執行機関の活動に全面的に協力すると書かれている。
その上で陸軍は、「軍人の死傷をもたらした幹部の行動ないし無策であることが判明した場合、罪人は厳しい責任が追及される」と伝えた。
これを受けて、陸軍のミハイロ・ドラパティー司令官は、テレグラム・チャンネルにて、辞表を提出することを決めたと発表した。
ドラパティー氏は、「私は、ウクライナ陸軍司令官職の辞表を提出することを決めた。これは、第239訓練場での悲劇によって私たちの戦士が亡くなったことへの私個人の責任感から生じた自覚的な行為だ。司令官として、私は、自らの命令の遂行を完全には確保することができなかった。強く求めることも、説得することも、任務に就いている人への態度を変えることも。それが私の責任だ」と書き込んだ。
また同氏は、軍人たちの行動にも意味があるが、主な責任は常に司令部にあるとし、指揮官がルールを定め、決定を下し、結果に責任を負うのだと主張した。
そして同氏は、身内のかばい合いや不処罰は、軍にとっての「毒」だとし、自身はその毒をこそ陸軍から根絶しようとしてきたのだと伝えた。
同氏はその上で、「しかし、悲劇は繰り返されており、つまり、私の努力が不十分だったということだ。私たちには、学ばないシステムの中で生きる権利はない。結論を出さず、服務に対する態度を変えず、自らの過ちを認めなければ、私たちは負ける運命にある。個人の責任なくして、発展はない。発展なくして、勝利はないのだ」と強調した。
そして同氏は、人の命に指揮官が責任を負う軍が、生き残るのであり、損耗に対して誰も責任を負わない軍は、内側から死んでいくと訴えた。
同氏は、第239訓練場での悲劇では、12名が亡くなったとし、さらに負傷者も出ていると伝えた。その際同氏は、「彼らは、訓練大隊の若者だ。大半が、シェルターにいた。彼らは学び、生き、戦わねばならなかったし、死ぬべきではなかった」と強調した。
そして同氏は、遺族と苦しんだ全ての人に哀悼の意を表明した。
その他同氏は、指揮官の行動、シェルターの状態、警報システムの効果といった悲劇の全ての状況を調べることを主導したと伝えた。
同氏はその際、「全ての被害者には支援が与えられている。しかし、どんな調査でも、私たちが失った人々は戻ってこない。言葉ではなく行動が名誉となる軍を構築しなければ、一人一人の指揮官が毎日、命令、決定、人への責任を負う軍を構築しなければ、私たちはこの戦争に勝利できない」と強調した。