ウクライナのヘラスケヴィチ選手、オリンピック終了まで「追悼ヘルメット」で出場する意向
ウクライナのスケルトン選手のヘラスケヴィチ氏は、国際オリンピック委員会(IOC)が禁止措置を示した上でなお、亡くなったウクライナのアスリートたちが描かれた「追悼ヘルメット」を着用した上で、今年の冬季オリンピックを最後まで出場する意向を表明した。
ヘラスケヴィチ選手がコルティーナ・ダンペッツォでの記者会見時に発言した。ススピーリネ・スポーツが報じた。
これに先立ち、IOCはヘラスケヴィチ氏が「追悼ヘルメット」で出場することを禁じ、「良い妥協案」として黒い腕章を着用してスタートに出ることを提案していた。記者会見でヘラスケヴィチは、このIOCによる「妥協案」に対し、亡くなったアスリートたち全員に十分な敬意を払うには、IOCには「黒い腕章が足りない」と答えていた。
ヘラスケヴィチ氏は、「この戦争で亡くなったアスリートの数に対し、IOCには十分な数の黒い腕章がないと考えている。ヘルメットには24人が描かれている。しかし、合計で500人以上の選手が殺害されたのだ。彼らの犠牲のおかげで、私だけでなくウクライナ代表チーム全体がここで競技できている。彼らの犠牲がなければ、戦争は欧州にまで及んでいたかもしれない。彼らは今日ここに私と一緒にいるのに値するし、競技当日も私と共にいるに値する」と強調した。
また同氏は、今後の練習及び公式競技当日の両方において、オリンピック終了まで「追悼ヘルメット」を使用する意向を改めて表明した。
同氏はその際、「もしIOCがこれらのアスリートたちを裏切るとしても、私は彼らを裏切らない。予定では、全ての練習で(編集注:同ヘルメットを)使用することにしている。2月8日、昨日、そして今日も使用した。明日も、そしてレース当日も使用するつもりだ。私はIOCの決定には同意しない。私たちはルールを一つも破っていないと考えている。(編集注:ヘルメットに描かれた)これらのアスリートたちは皆殺害されたが、彼らの声は非常に大きく、それは聞くことができるはずだ」と述べた。
同氏は加えて、IOCと公に闘うことが目的ではないと強調した。また、イタリアでの2026年オリンピックにおいて、他の選手が政治的メッセージを出していると指摘した。
同氏はその際、「私たちは、全ての選手が平等な権利を持つべきだと言われた。しかし、今回のオリンピックでは米国代表の選手たちによる政治的声明が、競技会場においてさえ十分に見られた。また、ある選手(編集注:イタリアのスノーボード選手ローランド・フィシュナラー氏)のヘルメットにはロシアの国旗があった。彼らは何の制裁も罰も受けていない。もし私に同じ権利があるのなら、同様であるべきだ。記者会見で世界中の多くの紛争が言及され、私たちもそれを示すなら、それが自由の代償だ。それこそがオリンピック運動の象徴であり、使命である。IOCと闘いたいのではない。私は自分の競技を本当に愛しており、人々がスポーツに励み、自国に戦争が生じないことを強く願っている」と強調した。
なお、2026年オリンピックの男子スケルトン競技開始までに残された公式練習は、2月11日水曜日の1回のみである。翌12日には男子の1回目と2回目の滑走が行われ、さらに2回の滑走が13日に予定されている。
写真:セルヒー・ザハルチェンコ/ススピーリネ・スポーツ