キーウでクリミア占領に抵抗して拘束された市民を紹介する漫画が完成
キーウ市内のウクライナ日本センターで12日、ロシアにより2014年から占領の続くウクライナ南部クリミアにおけるアーティストのボフダン・ジザ氏の抵抗活動を紹介する漫画作品『蝶々の羽ばたき』の完成発表会が行われた。この漫画は、ウクライナ語の他、英語と日本語でも制作されている。
クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部がフェイスブック・アカウントで報告した。
報告には、クリミアで生まれ育ったボフダン・ジザ氏は、2022年のロシアによる対ウクライナ全面侵攻後、占領当局裁判所により、「テロリズム」と「政治的動機による破壊行為」という捏造された罪状により、違法に15年間の禁固刑が言い渡されたと書かれている。漫画『蝶々の羽ばたき』は、このジザ氏が体験した実話を扱っている。
代表部は、今回完成されたドキュメンタリー漫画は、「2014年のクリミア占領によりロシアが開始したこの困難な戦争の時に、支援を続けてくれている日本への感謝の印として、日本の漫画の形で制作された」と説明している。
日本センターでの発表会では、コヴァルシカ大統領府副長官や日本大使館の淺村文化担当書記官が冒頭の挨拶を行った。コヴァルシカ副長官は挨拶の際に、クリミアのテーマを伝え、政治囚を解放し、占領に抵抗する人々を支えるためのツールとして、異文化間連携が重要だと指摘した。淺村氏は、ロシアの侵略に抵抗するウクライナ人への敬意を表し、日本がクリミアを含むウクライナの領土一体性を支持していることを強調した。
その後、パネルディスカッション「クリミア占領への抵抗の12年」も開催された。ディスカッションには、ジザ氏の妹であるバルコヴァ氏、クリミア人権グループのスクリプニク代表、出版社「ヴィダウニツトヴォ」の共同創設者であるオメリヤネンコ氏、日本人ジャーナリストの平野高志氏が登壇した。登壇者たちは、漫画は単なる芸術の一形態ではなく、2014年のクリミアの出来事や、ジザ氏の物語を通じたクリミアの政治囚の現状についての真実を伝える手段だと指摘した。
また、イベントの一環として漫画制作のワークショップも行われ、今回『蝶の羽ばたき』を制作し、第18回日本国際漫画賞の受賞者でもある、ロスティスラウ・スシュコ氏とドミトロー・コロディチ氏が講師を務めた。
『蝶の羽ばたき』は、ウクライナ語だけでなく英語と日本語でも制作され、近々ウクライナの書店の棚や出版社のウェブサイトに並ぶ予定。