日本のピアニスト中村天平さん、キーウでウクライナ応援コンサート
日本の作曲家でピアニストの中村天平さんが13日、キーウ工科大学文化芸術センターでコンサートを開いた。
キーウの日本センターの後援を受けて開かれた同コンサートの際には、ウクライナ軍支援基金「キーウ工科」への募金も行われた。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
中村さんは、観客に向けて、「またここに来られて嬉しい。ウクライナの人々を音楽で支えられることがとても大切だ。(編集注:全面)戦争の前、多くのウクライナ人が私を支えてくれた。ウクライナ・日本センターの方々、ハルキウ、リヴィウ、ジトーミル、その他多くの町の友人たちだ。だからこそ、私はウクライナ人を支えたい。なぜなら、私自身が彼らに支えられているからだ」と伝えた。
コンサートにて中村さんは、ロシアの侵略から自らの大地を守り続けるウクライナ軍人を題材にした、自作の「兵士のストーリー」という曲を披露した。
中村さんはその際、「兵士たちが戦場で亡くなるのはとても悲しい。私は、彼らのために、彼らのストーリーを書いた」と伝えた。
また同氏は、ウクライナの楽曲「月夜」(Moonlight Night)や「シチェドリク」(Carol of the Bells)を自らアレンジして演奏した。
コンサートの最後には、ウクライナと日本の国歌も演奏された。中村さんは、最後に「ウクライナに栄光あれ!」と観客に呼びかけ、前日に訪れたウクライナの国民的詩人のタラス・シェウチェンコに捧げる即興演奏も行った。
コンサートを訪れたウクライナ軍人たちは、中村さんに軍人たちが寄せ書きをしたウクライナ国旗をプレゼントした。
中村天平さんは、これまでもウクライナで複数回コンサートを開いてきた。2017年には、国際移住機関(IOM)のイニシアティブで、ウクライナ東部で複数の慈善コンサートを開催。ロシアの全面侵略が始まってからは、欧州ツアーの際に、2022年10月にウクライナ中部キーウ州のボヤルカとイルピンを訪れコンサートを開いた。当時のキーウ市でのコンサートは、空襲警報の発令から、シェルター内で開催されていた。
写真:キリロ・チュボチン/ウクルインフォルム