過去に露侵略を支持していたロシア人オペラ歌手のベルリン公演に活動家が抗議

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2014年以降、ロシアのウクライナ侵略を公に支持し続けていたことで知られるロシアのオペラ歌手アンナ・ネトレプコのベルリン国立オペラ劇場での15日の公演に反対し、活動家が抗議運動を行った。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ウクライナ人やその他の国籍の人々による数百人の抗議者がウクライナ国旗や「ロシアはテロ国家」「ネトレプコに反対」「ロシア文化は人を殺している」「プーチンの友人は、立ち去れ!」などのスローガンの書かれた紙を掲げた。

ネトレプコ氏は、2014年以降、ロシア武装集団の旗を掲げたり、戦争スローガン「ベルリンへ」と書かれたTシャツを着たりしてきた人物。2022年2月24日のロシアの対ウクライナ全面侵略戦争以降は、「戦争には断固反対」と主張したが、誰が侵略戦争を始めたのか、については言及していない。これら言動により、これまで多くの国で同氏のコンサートがキャンセルされてきた。

抗議者たちは、ウクライナへの全面侵攻を行うプーチン露大統領を非難しないネトレプコに対して「恥を知れ」とシュプレヒコールを挙げた他、オペラ劇場に対しても、全面侵略戦争開始以降初のネトレプコの公演をキャンセルしなかったことを批判した。劇場にはウクライナ国旗が掲げられていたが、抗議者たちはこれも「冷笑主義」だと形容した。

写真:オリハ・タナシーチューク/ウクルインフォルム

また、同日、マケイェウ駐独ウクライナ大使は、フンボルト大学での写真展「ロシアの戦争犯罪」を訪れた際に記者団に対して、本件についてコメントした。

マケイェウ氏は、これまで劇場の幹部に対して、戦時下にネトレプコを招待することが不適切であることを繰り返し説明してきたが、理解が得られなかったと指摘した。同氏はまた、ネトレプコが最近「私はロシアを誇っている」と述べたことを紹介し、本当に戦争を非難しているなら、少なくともジェノサイド戦争を遂行するロシアの罪を認めて、ウクライナ人に謝罪をすべきだと発言した。

なお、本年3月15日、東京都港区サントリーホールにて、長年ロシアのプーチン政権の政策を支持してきたことで知られるオペラ歌手アンナ・ネトレプコ氏のコンサートが開催されていた。その際にも、サントリーホールの前で、開催反対の抗議活動が開かれている