ドネツィク州からロシアに連れ去られていた16歳の青年、ウクライナへ戻る

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ウクライナの最高会議(国会)人権問題全権のルビネツ氏は19日、東部ドネツィク州からロシア領へとロシア軍により連れ去られていた未成年の青年をウクライナに戻すことができたと報告した。

ルビネツ氏がフェイスブック・アカウントに書き込んだ

ルビネツ氏は、「聖ミコライの日には奇跡が起きる。今日、そのような奇跡が16歳のセルヒーのもとに起きた。彼は、ロシアへと連れて行かれてから、約8か月ぶりにウクライナへ戻ったのだ」と書き込んだ。

同氏は、青年は以前マリウポリの近くに暮らしていたとし、全面戦争開始前に両親をなくしていたと伝えた。同時に彼には姉がいる他、多くの人が彼を助けようとしているとも指摘した。

同氏は、セルヒー氏の暮らしていた自治体がロシア軍に制圧されると、他の子供たち同様、彼はまずドネツィクに連れて行かれ、その後ロシアへと連れて行かれたと説明した。

そして、ロシア側の児童問題を担当するオンブズマンのマリヤ・リヴォヴァ=ベロヴァ氏が、プロパガンダメディアの動画用にその子供たちと対話をし、セルヒー氏やその他のウクライナの子供たちをロシアの家族に養子として加えることを決めたのだという。

セルヒー氏が養子として入れられた家族には、すでに自分たちの子供が3人いて、他にもう1人養子がいたという。セルヒー氏は、その「家族」とは話をしなかったのだという。

ルビネツ氏は、その家族のセルヒー氏に対する扱いは残酷なものではなかったが、彼は常に祖国に帰らねばならないとの考えを断念できなかったと伝えた。

セルヒー氏は、インターネットで支援手段を見つけ、ある質疑応答用チャットにて、ウクライナへ戻りたいとのメッセージを書いたところ、助けるとの返事を受け取ったのだという。

ルビネツ氏は、「昨日、ウクライナの国境で彼を迎えた。彼は、ようやく家に戻れて幸せそうだった」と伝えた。

そして、同氏は、セルヒー氏が心理ケアを受けられ、学業が再開でき、姉が公式の後見人となり、必要となった場合の医療を受けられるように、オンブズマン事務所が世話をすると伝えた。