「タリバンの法とイスラム法との間に共通点は全くない」=ウクライナのイスラム教指導者

アフガニスタンを掌握したタリバンは、シャリーア(イスラム法)が国家運営の基盤を定めると述べているが、ウクライナのイスラム教専門家は、タリバンの述べるルールはシャリーアと全く共通点がないと指摘している。

18日、ウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」が報じた

ウクライナのイスラム教徒信仰運営局のムフティーを務めるシェイフ・サイード・イスマヒロウ氏は、「シャリーアには、女性が教育を得られないとか、イスラム教の認める分野で働けないといった制限はない。通りに出られないといったものもない。そのようなものはシャリーアにはないのだ。私たちが他のイスラム教徒の暮らす国を見てみたら、女性は教育を得ているし、仕事をしているし、高い地位にも就いているし、スポーツもできるし、自己実現もできている」と発言した。

同局は、東京パラリンピックでアフガニスタンを代表してパラテコンドーの種目で出場予定だったザキア・フダダディ選手のについて報じた。報道によれば、23歳の同選手は、タリバンが国を掌握したことでカブールから東京へと渡航できなくなり、そもそも自身のスポーツキャリアだけでなく、自身の生命についても不安を抱いているという。

フダダディ氏は、「私は、建物の中に縛り付けられている。私は、確信を持って通りに出ることができない。私は、あなた方皆、世界中の女性、女性保護の団体、全ての国の政府機関に、アフガニスタンの女性がパラリンピック運動への参加の権利を奪われることを看過しないよう呼びかける。私は、たくさん苦しんできた。私は、これまでの努力が無駄になって欲しくない、結果のないまま終わりたくない。助けて欲しい!」と呼びかけた。

番組に出演する専門家たちは、タリバンは過去10年で変化してきているとも指摘している。以前、彼らはテレビを破壊してきたが、現在は自身たちがテレビ出演するようになっていると述べつつ、同時に彼らが人権を尊重することは期待すべきでないと指摘した。