ウクルインフォルム通信とドイツ通信、共同で偽情報検証講座を開催

国営ウクルインフォルム通信とドイツ通信社(DPA)は、ウクライナの各報道機関の記者や編集者を対象にした「ソーシャルメディアや報道における嘘や偽情報をどのように見分けるか 検証の手段・手法」を複数回にわたり開催した。

講師を務めたのはドイツ通信社のニコル・ウェル氏、ヤン=ニコラス・ピケル氏、シュテファン・フォス氏とウクライナの偽情報検証団体「ストップフェイク」のアルテム・ラプチイェウ氏。

講座は、9月22日、24日、29日、10月1日の4回開催。参加者はウクルインフォルムの記者会見ホールに集まり、ドイツ通信社の講師たちはウェビナール形式でオンライン・トレーニングを行なった。

ドイツの専門家たちは、ソーシャルメディアをはじめとしたオンライン上に拡散されるテキスト、写真、動画コンテンツ上の偽情報の摘発の経験と手段を共有した。トレーニングでは、とりわけ報道機関関係者の日常業務に必要となり、かつ短時間で身につけられる技術を中心に説明された。

DPAとストップフェイクの専門家との議論の際は、参加者はウクライナとドイツの報道の検証作業の特徴や、世界のファクトチェッキング(真偽検証)の発展の主な傾向について話し合いが行われた。

4回のトレーニングに参加したのは、ウクライナの報道機関や報道問題を扱うNGO、キーウ(キエフ)の大学の報道学部に所属する者など約60名。参加者は皆、トレーニング終了後、修了証を受け取った。

なお、ウクルインフォルム通信とDPAは、今後の検証分野での協力継続について協議を続けている。とりわけ、ファクトチェックを専門とすることを目指す記者育成のためのワークショップの開催可能性などが検討されている。両通信社の運営者たちは、今回のようなウクライナの報道関係者向けトレーニングは、報道の質向上、社会対話の点で有益だとの感想を伝えている。