ウクライナ正教会、フィラレート名誉総主教からキーウ教区管理権を剥奪

ウクライナ正教会聖会議は、同教会のフィラレート名誉総主教から、キーウ(キエフ)教区を管理する権利を剥奪しつつ、同時にウクライナ正教会の構成員として残す決定を下した。

24日、イェウストラチー・ゾリャー・チェルニヒウ・ニジンシキー大主教が関連決定につき記者に発表した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

同決定により、フィラレート名誉総主教はウクライナ正教会の構成に残るが、他方で、教区管理に関する教会法上の権利と義務は失われることになったとのこと。

また、ゾリャー大主教は、フィラレート名誉総主教は、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教に対して、書簡を通じて、ウクライナ正教会における今後の自身の対応について、見解を伝えることが可能であると指摘した。

なお、現在のウクライナ正教会は、2018年12月15日、キーウにおける統一会議にて創設されている。同会議には、当時のウクライナ正教会キーウ聖庁、自治独立派、またモスクワ聖庁から主教2名が参加していた。

新たに創設されたウクライナ正教会の首座主教に選ばれたのは、当時のキーウ聖庁の主教であるエピファニー氏であった。この選出を受けて、2019年1月6日、ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル全地総主教がイスタンブルにて、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教へと、同正教会の独立に関する文書「トモス」を授与した。この創設・独立により、ウクライナ正教会キーウ聖庁と自治独立派は、自己解体している。

しかし、6月20日、フィラレート・ウクライナ正教会名誉総主教が、一方的にキーウ聖庁の復活を宣言。ウクライナ正教会側は、同宣言は法的効力を持たない無意味なものであると発表していた。