キーウ市内のロシア大使館前に「ネムツォフ記念広場」が登場 殺害された露野党政治家の名前から

15日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)のロシア大使館近くに、ロシアの野党指導者の一人で、2015年にモスクワで殺害されたボリス・ネムツォフ氏の名を冠した広場がオープンした。

ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ヴィタリー・クリチコ・キーウ市長は、オープニング・セレモニーの際、「今日、私たちは、ボリス・ネムツォフ記念広場とウクライナの偉大なる友人であるネムツォフ氏を追悼する記念碑をオープンする。同氏は、キーウへ複数回訪れ、多くのことがウクライナに左右されることを理解していた人物であった。彼は、変化と革命を望んでいた。私たちが彼を記憶する限り、彼は私たちとともにある。そして、ロシア大使館に対して、自由と自らの国を求めて闘う人々がいることを思い出させ続けるのである」と強調した。

ネムツォフ氏の娘である、ジャンナ・ネムツォワさんは、父親の悲劇的運命はウクライナで起きた出来事と密に繋がっていたと発言し、「私は、この記念碑が、現在まで続く最近の出来事を記憶するためのものだと思っている。私たちは、同様のことをこれ以上起こしてはならない」と述べた。

また、セメラーク環境天然資源相は、ネムツォフ氏の記念碑は、プーチン体制に対する最善の返答となると指摘し、ネムツォフ氏が求めて闘い、求めて死んだ理想は、世界中で勝利すべきものであると発言した。セメラーク大臣は、「彼とは何年も対話をしてきた間柄であった。無くなる前の数日もである。私には、彼のまわりにはどんどん自由が集結しているように感じられていた。彼の死は、プーチン体制の無力の証拠であり示威である」と発言した。

セメラーク大臣は、ネムツォフ氏の名を冠した広場は色々な国の色々な町にあるが、ロシア連邦内には一つも存在しないと指摘した。

これに先立ち、2018年、キーウ市議会は、スリコヴァ通りとポヴィトロフロツィコホ大通りの過度にある広場を、ボリス・ネムツォフ氏の名をつける決定を下していた。

ボリス・ネムツォフ氏は、ロシアの有名な野党政治家だった人物。2014年には、ロシアによるクリミア併合を非難し、ウクライナ領からロシア軍撤退させ、自称組織「DPR・LPR」の支援を停止するよう要求する声明を出していた。2015年2月27日、ネムツォフ氏は、モスクワ中心部にて背後から銃撃されて死亡している。