ウクライナ汚職対策機関トップ、汚職との闘いを妨げている問題を表明
ウクライナの政権高官の汚職犯罪の捜査・起訴に特化した機関である国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察(SAP)のトップであるクリヴォノスNABU局長とクリメンコSAP長は10日、NABU捜査官が独立して通信傍受ができることや法改正といった汚職対策機関の制度強化の必要性を主張した。
クリヴォノスNABU局長とクリメンコSAP長が2026年前半のNABU・SAPの活動成果に関する記者会見の際に発言した。
クリヴォノスNABU局長は、「私たちには未解決の緊急の問題や、複雑な問題がいまだにある。それは専門家機関の設置、自律的な通信傍受(の実施権限)、刑事手続法典の改正、SAPの制度的能力の強化、人員確保である。これら全ての事柄は、あなた方なし、メディア、市民社会、国際パートナーの支持なしには達成することが非常に困難だ」と発言した。
クリメンコSAP長官もこれに同意した上で、クリヴォノス氏が指摘した必要な法改正に加え、汚職犯罪者に形式的な根拠で捜査を終了する機会を与えている、いわゆる「ロゾヴィー氏の修正条項」(編集注:2018年3月にアンドリー・ロゾヴィー(当時)最高会議急進党議員が提出して採択された関連法修正)の廃止の重要性を付け加えた。
またクリメンコ氏は、「最高会議議員に対する捜査を独立して開始し、最高会議議員に対する捜査行動および秘密捜査・捜索行動を承認する権限をSAPに与える問題がいまだに解決されていないのだ。なぜなら、私たちは、最高会議議員に関するそのようなカテゴリーの犯罪を捜査することが私たちの責任であると強調していながら、私たちはそのような捜査を開始することすらできないのであり、それが問題を作り出しているのだ」と強調した。
そして同氏は、汚職対策機関が汚職対策インフラに関係のない他の政権幹部の意志に依存してはならないと主張した。
同氏はその他、問題点として犯罪人引渡しや国際捜査チームの設置に関する問題を挙げ、現在大部分の汚職スキームがウクライナ国内だけに留まっていないとし、その問題の解決は国境を超えた汚職犯罪を捜査することを可能にすると指摘した。
その際同氏は、「『ミダス』事件(編集注:エネルギー部門の大汚職事件)について言えば、そこでは資金の合法化(編集注:資金洗浄)に膨大な数の司法空間が関わっている(編集注:色々な国で行われている)。この具体的な刑事捜査において可能な限り迅速に証拠を取得し、他の司法空間(外国)の検察と情報を交換するために、私たちは他の管轄権との国際捜査チームを結成する必要がある」と発言した。
クリヴォノス氏は、ウクライナが欧州連合(EU)加盟へ向かっていることからも、これらの変化は緊急に必要だと訴えた。