米上院、ロシア・イランに対する制裁強化に向けた故グラム議員の法案を可決 日本参画エネルギー事業も対象
米上院は7日、ロシア及びイランに対する制裁を強化する故グラム上院議員の法案を可決した。文書は下院へ送付される。
ロイター通信が報じた。
米上院議員の賛成68、反対9で同法案は可決された。現在、法案は下院へ送付されている。
サウスカロライナ州選出の共和党員であったグラム氏は、対ロシア全面戦争において議会におけるウクライナの積極的な支持者の1人であった。同議員らが主導して策定した同法案はウクライナへの軍事侵攻に関して、ロシアに対する経済的圧力を強化することを目的としている。
また同法案には、トランプ大統領が主張したイランに対する制裁拡大も含まれている。
同法案は、ロシアの石油及びガスを購入し続ける国々に対する100%の二次関税の導入を定めている。主に中国及びインドが対象となる。
これに加え、同法案はロシアのタンカーによる「影の船団」、ロシアの中央銀行を含む金融機関、「ヤマルLNG」「アークティック(北極海)LNG1」「アークティックLNG2」「アークティックLNG3」といった大規模な国家エネルギープロジェクトに対する制裁を定めている。
この内、「アークティックLNG2」は、日本の三井物産と独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が出資する合弁会社を通じて、現在まで10%の権益を保有している。
ゼレンシキー宇大統領は、Xアカウントにて、今回のロシア及びイランに対する制裁強化法案可決につき米上院に謝意を表明した。
ゼレンシキー氏は、「米上院とウクライナを支援する全ての人々にとても感謝している。ロシア及びイランに対する制裁に関するグラム氏の法案可決は、私たちの独立と私たちの人々に対するこの狂ったロシアの戦争を終わらせるため、侵略国への圧力を強化するのに間違いなく役立つ」と書き込んだ。
また同氏は、ウクライナは両党議員と全米国民から提供されている全ての米国の支援を評価していると強調した。
そして同氏は、「今、プーチンが戦争の引き延ばしにおいて弾道ミサイルに最後の賭けに出ており、私たちが私たちの防衛のために『パトリオット』用ミサイルをこれほど探している時、命の保護の支援、戦争の最速の終結の支援に向けたあらゆるシグナルがとても重要だ」と発言した。
同氏はさらに、現実的で強い米国の圧力・対露制裁こそが、最も効果的だと訴えた。その際同氏は、「侵略国への圧力の一歩一歩により、外交がより近くなる。これを理解し、力により平和を推進する全ての人々に感謝している」と発言した。
なお、日本が参画するロシアの北極圏の液化天然ガス(LNG)開発事業「アークティックLNG2」は、2023年11月の米国務省の制裁対象に加わっていた。
2026年6月3日、ロシアのプーチン氏は、「アークティックLNG2」でフランスのエネルギー企業「トタルエナジーズ」が保有していた10%の権益を、ロシア天然ガス企業「ノヴァテク」の子会社による買取を承認する大統領令に署名していた。
日本は、2019年6月、ノヴァテクが「アークティックLNG2」に融資する方針を固めていた。当時、G20大阪サミットの際に、安倍当時首相とプーチン氏の立ち会いの元、関連契約への署名が行われていた。同参画は、安部当時首相が2016年5月、ロシア・ソチでのプーチン氏との日ロ首脳会談で示した8項目の「協力プラン」の案件の1つとして提示されていたもの。
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