ロシア・ウクライナ戦争の終結交渉において、EUはモルドバの領土問題も考慮できる=サンドゥ大統領

モルドバのサンドゥ大統領は28日、ロシア・ウクライナ戦争の終結に関する交渉が行われる場合、欧州連合(EU)はモルドバの被占領地であるトランスニストリア地域の問題、具体的には同地域からのロシア軍の平和的な撤退も考慮に入れられると発言した。

サンドゥ大統領がテレビ局「プロTVキシナウ」出演時に発言した。ポイントが報じた

サンドゥ氏は、トランスニストリア地域はモルドバの一部であり、同国のEU統合プロセスに関する全ての議論に含まれていると強調した。

また同氏は、トランスニストリア地域に関連する主な問題の1つは、モルドバ領内にロシア軍が不法に駐留し続けていることだと指摘した。同氏は、モルドバはこの問題を欧州のパートナーたちとの対話の際に常に提起していると伝えた。

その点につき同氏は、「トランスニストリア地域はモルドバ共和国の一部であり、当然、私たちはトランスニストリア地域についても議論している。最大の問題は、ロシア軍の不法な駐留である。毎回、私たちもこのテーマを提起しているのは当然であり、彼ら(編集注:欧州のパートナーら)もそれを提起している。この課題を一緒に解決できることを期待している」と発言した。

同氏はそして、ウクライナでの戦争終結に関するあり得る交渉の際には、EUはトランスニストリア問題、とりわけ同地域からのロシア軍の平和的な撤退をも考慮に入れる可能性があると指摘した。

その他同氏は、トランスニストリア地域でモルドバ国民が拘束されている事例に注意を向け、彼らは法的根拠なしに自由を奪われていると述べた。同氏は、モルドバ政権が欧州安全保障協力機構(OSCE)の支援のもとで行われているモルドバ政権とティラスポリの非承認「国家」の間の対話の枠組みの中で、これらの状況を解決しようと試みていると強調した。

同氏はその際、「成功することもあれば、そうでない時もある。現在、解放できていない人々が複数名いるが、政府は今後も努力を続けていく」と伝えた。

なお、モルドバ領トランスニストリア地域には、90年代から第14ロシア軍が駐留している。1999年、欧州安全保障協力機構(OSCE)イスタンブル首脳会談にて、ロシア連邦は2002年末までに同地から軍と弾薬を撤退することが義務付けられたが、ロシアは現在までこれを履行していない。

2017年、モルドバ憲法裁判所は、ロシア軍のトランスニストリア地域への駐留は国家の中立に反するものだと認定している。

2022年3月15日、欧州評議会議員総会は、このロシア軍の違法駐留の続くモルドバ領トランスニストリア地域を「被占領下」と定める決議を採択した。

サンドゥ・モルドバ大統領は、同国がロシアに対して、モルドバ領トランスニストリア地域からのロシア軍、兵器、弾薬の撤退・撤収を要求していることを繰り返し喚起している。またサンドゥ氏は、2023年8月、モルドバは国内のトランスニストリア紛争につき、平和的な手段でのみの解決を望んでいるとしつつ、ロシアの対ウクライナ戦争にてウクライナが勝利した際には、トランスニストリア紛争解決に向けた地政学的な機会が生じるかもしれないと発言していた

また、ウクライナのゼレンシキー大統領は2023年6月1日、モルドバが抱えるトランスニストリア占領地問題につき、モルドバ首脳陣から要請があれば、ウクライナは対応し、同国を支援し得ると発言していた