米国はイランとの戦争に行き詰まり、ロシアは思いがけない利益を得た=ウクライナ政治学者
ウクライナの著名政治学者ヴォロディーミル・フェセンコ氏は、現在の中東での戦争は世界に新たな危機を生み出し、米国の立場を弱める一方で、ロシアに経済的利点を与えていると指摘した。
政治分析センター「ペンタ」のフェセンコ所長がウクルインフォルムにコメントした。
フェセンコ氏は、「この戦争の主な中間総括は、米国が不透明な展望のままこの紛争に行き詰まったということだ。同時に、世界の石油・天然ガス市場には危機的傾向が生じており、今のところ戦争の早期終結に向けた明確なシナリオは誰も目にしていない」と指摘した。
また同氏は、米国にとってこの紛争は政治的、経済的に悪影響をもたらしていると述べた。その際同氏は、「米国では燃料価格が急騰しており、ドナルド・トランプ氏への批判は支持者の間ですら強まっており、同氏の支持率は低下している。同時に、戦争における勝利のような結果も、和平交渉における顕著な進展も見られない」と述べた。
同氏はさらに、戦争の影響で予定されていたトランプ氏の訪中が延期され、欧州やアラブのパートナー諸国との関係をはじめ、米国の国際的な立場が弱まっていると指摘した。
同時に同氏は、中国はペルシャ湾地域からの石油供給の停滞により、大きな経済的困難に直面しているとの見方を示した。同氏はその際、「戦闘行為とホルムズ海峡の封鎖により、中国への石油供給は70〜80%減少した。実質的にロシアが主要供給国となったが、石油価格の急騰は中国経済にとって深刻なリスクを生んでいる」と述べた。
同氏は一方で、ロシアが大きな経済的利益を得たと指摘した。
同氏は、「ロシアは事実上の『ジャックポット』を得た(編集注:棚ぼた的な利益を得たの意)。石油・ガス価格の上昇、制裁の一部緩和、そして最初の1か月だけで120億ドルから150億ドルと評価される追加収入だ。これらが、対ウクライナ戦争に資金を投入するための追加的リソースをロシアに与えている」と強調した。
同時に同氏は、ロシアには、イラン、イスラエル、ペルシャ湾岸諸国の間でバランスを取る必要性が生じており、新たな外政上の課題も生じているとも指摘した。
同氏は、ウクライナにとっては、現状は「リスク」と「機会」の両面があると述べた。同氏はその際、「(編集注:防空)システム『パトリオット』用の迎撃用ミサイルの供給に関するリスクや、ロシア・ウクライナ戦争から国際的な注意が逸れるリスクがある。同時に、ウクライナはイラン製無人機への対抗分野でのペルシャ湾岸諸国との協力をはじめ、自らの主体性を示すことができている」と説明した。