米国はザポリッジャ原発を3者で分割することを提案しているが、不当だと思う=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は18日、米国はロシアによる占拠が続くウクライナ南部のザポリッジャ原発を、ウクライナ、米国、ロシアの3者で分割するという妥協案を提示したことを明らかにした。同時にゼレンシキー氏は、そのような案は不当だと思うと述べた。
ゼレンシキー大統領が記者団からの質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「米国は、彼らが妥協案とみなすものを提案した。それは、同原発が何らかの形で存続し稼働しなければならず、何らかの割合でその原発を3者で分けるという内容だ。私たちはそのテーマについて長時間議論したが、私は彼らに、それは不当だと思うと伝えた」と発言した。
また同氏は、問題は単にそれがウクライナの原発であるということだけではないとし、ザポリッジャ原発の未解決問題として「電力や金銭のことだけでなく、その原発へのアクセス問題、現在も軍事化されていること、水や電力が確保されていないなどの危険な状況にある点などの問題だ。また、私たちのチーム、私たちの人々がそこで働いており、今後も働かなければならないという問題もある」と列挙した。
同氏はさらに、現在「同原発は100パーセントの回転数で稼働していない」と指摘した。その際同氏は、「原発が稼働すれば、そこにはより大きなウクライナ専門家チームが滞在することになる。彼らはどこに住むというのだろうか?」と疑問を呈した。
そして同氏は、これら多くの問題は国際原子力機関(IAEA)とも合意する必要があると指摘した。
同氏はまた、現時点では誰が原発を復旧させるのかという問題も不明なままであり、また同原発は占領地におけるダムの再建問題とも関連していると述べた。その際同氏は、「ロシアが爆破したダムが必要だ。彼らが爆破したのだ。それについて誰が支払うのだろうか? つまり、回答よりも質問の方が多いのだ」と指摘した。