来週、ベルリンでウクライナ関連協議が開催される可能性あり=メルツ独首相
ドイツのメルツ首相は11日、欧州のE3諸国(独仏英)は、米国のトランプ大統領に対して、ウクライナでの平和達成に向けた提案を今後数日中に調整するよう提案したとし、また来週初めにベルリンで協議が開催されることを期待していると発言した。
メルツ首相が、ベルリンでのルッテNATO事務総長との会談後に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メルツ氏は、前日(10日)に自身とトランプ米大統領、マクロン仏大統領、スターマー英首相が行った電話会談を、非常に内容のある建設的なものだったと形容した。
その際同氏は、「今週末の内に米国政府と共に文書を最終的に調整することを彼(トランプ大統領)に提案した。電話会談の時点では、米国側にまだ伝えられていなかった提案が一つある。私たちは昨日日中にそれを伝えた。その中では、ウクライナがどのような領土的譲歩を行う用意があるかが主に語られている」 と述べた上で、その問題は何よりもまずゼレンシキー宇大統領とウクライナ国民が決めるべきことだと強調した。E3首脳はトランプ氏に対し、その点を明確に説明したという。
また同氏は、「私たちが想像している通りにこのプロセスを進めるならば、週末中に米国政府との協議が行われ、来週初め、もしかしたらここベルリンで、会合が開かれるだろう。米国政府が参加するかどうかは、現在取り組んでいる文書を共同でどれだけ完成させられるかにも左右される」 と述べた。
さらに同氏は、それがうまくいくという慎重な確信を示し、なぜなら、トランプ氏との電話会談の際に、トランプ氏が欧州の人々と共にその道を進んでいく用意があるという「確固たる印象」を抱いたからだと発言した。
同氏はその他、トランプ氏とのやりとりでは、E3はポーランド、イタリア、その他の隣国と共に欧州の利益を代表していると述べた。そして同氏は、欧州は欧州大陸における安全保障、安定、平和、自由を確保し、「私たち全員のための安全保障システムにウクライナを組み入れること」を望んでいると強調した。
また同氏は、過去数週間、米国の主導もあって、「2022年2月24日以来見られなかったような動き」が観察されていると述べた。
その一方で、同氏は、作業は依然として極めて困難だと述べ、「その理由は非常に単純だ。プーチン氏はウクライナの民間人に対する戦争を容赦なく続けており、交渉にて明らかに時間稼ぎをしているからだ」と指摘した。
同氏は、そのような状況下ではパートナーたちは以下の3つの主要な目標を追求しているとし、その1つ目は、ウクライナのための停戦で、ほぼ4年にわたる戦争をようやく終結させることだと述べた。そして同氏は、2つ目は、(ミンスク諸合意とは異なり)強固な法的・物質的保障によって確保される停戦で、3つ目は、欧州の安全保障上の利益を考慮した交渉による解決策で、それがEUとNATOの団結を犠牲にするものであってはならないと強調した。
同氏はまた、「4年間の苦悩と死を経て、ウクライナ国民が受け入れる用意のない和平のために、ウクライナ大統領に圧力をかけることは誤りである。そのため、私たちは次のことを明確に伝えている。私たちは共通の目標を達成するため、長期にわたりウクライナの側に立ち続ける、そのために、私たちはモスクワに対する圧力をさらに強めていく、と」 と強調した。