ウクライナはNATO加盟を希求 クリミア奪還に十分な支援や戦力はない=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は9日、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟問題に関して現実主義者であると述べ、またロシアに2014年から占領されているウクライナ南部クリミアの返還に関しては、現在奪還に十分なだけの戦力や支援はないと述べた。他方で同氏は、クリミアにウクライナ帰属に関する自身の立場に変更はないと改めて確認した。
ゼレンシキー大統領が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私たちは現実主義者であり、私たちは確かにNATOに加盟したい。私の見方では、それは公正なことだ。しかし、米国も、率直に言えば、さらに複数の国も、今のところ、NATOにウクライナが入ることを想定していないことを、私たちは確実に把握している。そして、ロシアは、当然ながら、私たちがそこに入ることを決して想定していない」と発言した。
また同氏は、クリミアについて、現在ウクライナはクリミアを奪還するだけの十分な能力を有していないと発言した。同氏はその際、「クリミアに関しては、今日、私たちのところには、完全に私たちのウクライナのクリミア半島を取り戻すだけの力はない」と発言した。
同時に同氏は、クリミア返還のための十分な能力がないことは、ウクライナのクリミアに関する原則的立場が変わることを意味しないとも強調した。そして同氏は、「正直に言って、そう、私たちはそれら全てのことへの力が現在ない。私たちには、それら全てのことのための十分な支援はない。しかし、私は、それを最初の会談で話した。思うに、私はプーチンとの最後の会談でも、それを確認し得ると思っている(編集注:クリミアのウクライナへの帰属についてという意味)」と発言した。