「現在のコンタクトラインが交渉の出発点であるべき」=欧州複数首脳が露宇戦争につき共同声明発出
欧州諸国の首脳たちは10日、ロシア・ウクライナ戦争の解決に向けて、現在のコンタクトラインが交渉の出発点であるべきで、交渉には欧州パートナーの支援を受けたウクライナが参加すべきで、交渉後にはウクライナが信頼できる安全保障を得なければならないとする共同声明を発出した。
同共同声明は、マクロン仏大統領、メローニ伊首相、メルツ独首相、トゥスク・ポーランド首相、スターマー英首相、ストゥブ・フィンランド大統領、フォンデアライエン欧州委員会委員長によって、トランプ米大統領とロシアの首脳プーチン氏の予定されている会談に先立ち、ウクライナの平和に関するものとして発出されたもの。独政府広報室が声明を公開した。
欧州首脳たちは、ウクライナにおける殺戮を終わらせ、ロシアによる侵略戦争を終結させ、ウクライナのために公正かつ永続的な平和と安全を達成しようとするトランプ米大統領の取り組みを歓迎した。首脳たちは、積極的な外交、対ウクライナ支援、違法な戦争を終わらせるためのロシアへの圧力を組み合わせたアプローチのみが成功し得るとの確信を表明した。
首脳たちは、「有志連合の活動を通じたものをはじめ、ウクライナへの意義ある軍事・財政支援を継続すること、およびロシアに対する制限措置を支援・実施することによって、外交的にその取り組みを支える」準備があると述べた。
また首脳たちは、外交的解決策は、ウクライナと欧州の安全保障上の死活的利益を保護するものでなければならないという共通認識を表明した。
その際彼らは、「私たちは、その死活的な利益には、ウクライナがその主権と領土一体性を効果的に守ることを可能にする、強固で信頼できる安全保障の必要性を含むことで一致している。ウクライナは自身の運命を自由に選択できる」と主張した。
声明では、中身ある交渉は、停戦または敵対行為の緩和の文脈でのみ行うことが可能だと述べられている。
そして首脳たちは、「ウクライナ抜きで、ウクライナの平和への道は決定され得ない。私たちは、国際的な国境が力によって変更されてはならないという原則に引き続きコミットしている。現在のコンタクトラインが交渉の出発点となるべきだ」と強調した。
首脳たちはさらに、ロシアによるいわれのない違法なウクライナ侵攻が、国連憲章、ヘルシンキ最終議定書、ブダペスト覚書、そしてロシアの一貫した義務に対する明白な侵害であることを改めて表明した。彼らは、ウクライナの主権、独立、領土一体性に対する揺るぎないコミットメントを強調した。
そして彼らは、「私たちは、ウクライナの側にしっかりと立ち続けている。私たちは欧州人として団結しており、私たちの利益を共同で推進することを決意している。そして、私たちは、私たちの死活的な安全保障上の利益を保護するウクライナの平和のために、トランプ大統領や米国、そしてゼレンシキー大統領やウクライナの人々と緊密に協力し続けていく」と伝えた。