ロシアの「和平提案」はウクライナに受け入れさせるために書かれたものではない=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は、ロシアが提示した「和平提案」は、ウクライナが同意できないように意図的にウクライナの憲法にも国際法にも合致しない内容となっていると指摘した。

ゼレンシキー大統領がニューズマックスとのインタビュー時に発言した

ゼレンシキー氏は、「ロシアはいわゆる提案を書いたのだが、そこに書かれていることがウクライナ憲法にも国内法にも国際法にもウクライナ人の願望にも合致しないことは明確に理解している。彼らは、それを私たちが同意することを目的に書いたわけではないのだ」と発言した。

また同氏は、戦争を終わらせたい者は、譲歩を模索するものであるが、ロシアは反対に、2022年時と同じような最後通牒を書いたと指摘した。そして、「それは、ウクライナが絶対に履行できないような最後通牒である」と強調した。

同時に同氏は、ロシアは侵略国であると述べ、「彼らが私たちのところへ来たのであるから、全世界が最後通牒を突きつけるべきなのだ」と指摘した。

同氏はその他、ウクライナがロシア代表団と交渉しているという事実自体がもう譲歩であり妥協であると発言した。また同氏は、ウクライナは最後通牒以外であれば、平和のためにあらゆることへの準備があることを示したとも述べた。

加えて同氏は、ロシアは常にウクライナ人、ウクライナのアイデンティティを破壊しようとしてきたことを喚起した。その際同氏は、「主に、大半がロシア語を話す人々が暮らしていたウクライナ東部でロシア人が人殺しをしている時に、ロシア語話者保護についてどうしたら話すことができようか。彼らはどうしたら『ロシアの』教会問題を提起できるのだ? 信心とは人の意志だ。自由だ。しかし、プーチンは、鐘の真下に潜り込んで、誰がどのように十字を切るべきかを語っているのだ」と発言した。

また同氏は、プーチンはウクライナをロシアから独立した国だとはみなしていないと強調した。

これに先立ち、2日、ウクライナとロシアの代表団がイスタンブルで第2回交渉を開催していた。ウクライナのウメロウ代表団団長は、ロシア側が同日ウクライナに対して自らの文書(編集注:覚書案)を手交したと伝えていた。

ロシアのモスクワ・タイムズは、2日のイスタンブル交渉の際にロシア代表団がウクライナ代表団に渡した「覚書」案の内容を報じている