ロシアの「覚書」案は最後通牒=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は4日、ロシアが2日のイスタンブルでウクライナ側に渡したいわゆる「覚書」案は、ウクライナに対する最後通牒だと形容した。

ゼレンシキー大統領が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「それは、相互理解のための覚書ではない。少なくとも、覚書とは、一方的が要求するのではなく、双方が存在しなければならない。つまり、それを覚書と呼ぶことはできない。それはロシア側から私たちに対する最後通牒である」と発言した。

また同氏は、ロシアは意図的にその文書をすぐに公開しなかったのだとし、なぜならその内容を会合の前に知らせていたら、ウクライナが会合をキャンセルする十分な根拠を得てしまうことを認識していたからだと指摘した。同氏はさらに、同文書は外交活動と共通するものは何もないとし、それは「偽りの外交」であり、米国に対して建設的な立場を装いながら、制裁発動を遅らせるためのものだと発言した。

特に同氏は、その「覚書」案には、被占領下にあるウクライナ領をロシア領の一部として認めることや、ウクライナの中立化や、国際的同盟への加盟拒否という要求が含まれていると伝えた。

そして同氏は、「もう一度強調するが、その文書は低いレベルの人々が作ったものだ。ロシア側のチームは、決定を下す人々ではないし、国際法やウクライナ法を理解するような人々ですらない」と発言した。

また同氏は、ウクライナの核兵器を保有しない国としての地位を確認する項目もあると指摘した上で、「一体、どんな核兵器の話なのだ? 私たちに核兵器はない。私たちは、1994年のブダペスト覚書(署名)以降、核兵器不拡散条約締約国だ。私たちの地位ははっきりしている」と発言した。

同氏はさらに、ロシアがウクライナの「民族主義組織」の解体を要求していることなどを喚起した。また同氏は、ウクライナ軍にはいかなる私的組織も存在しないと強調した。

その上で同氏は、「全ての項目に答えたくはない。ロシア語について言えば、周知の通り、私たちには1つの国家語、ウクライナ語がある。彼らのロシア語話者に関する『配慮』は奇妙に見える。なぜなら、彼らこそが大半の人がロシア語を話しているか両言語を話す東部の町や人々を破壊しているからだ。これは最後通牒であり、政治的宣伝だ」と指摘した。