ゼレンシキー宇大統領、ロシア覚書につき「今のところロシアは古い最後通牒を発信」
ウクライナのゼレンシキー大統領は28日、ロシアが作成しているといういわゆる「覚書」案に関して、今のところロシアは新しいものは何も思い付いておらず、以前と同じ最後通牒的要求を情報空間に投げ込んでいると指摘した。
ゼレンシキー大統領がベルリン訪問時のメルツ独首相との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「世界はすでに1週間以上、ロシア人がいわゆる覚書を書き終えるのを待っている。人々を殺すのを止めるために彼らが必要だと思っているものだ。皆待っているのだが、彼らは何も新しいものを思いつくことなく、古い最後通牒の焼き増しを情報空間に投げ込んでいる。ウクライナは、停戦には一切の前提条件があってはならないと考えており、停戦は無条件かつ即時に行わねばならないものだと思っている」と発言した。
また同氏は、ロシアの対ウクライナ戦争の本当の「根本原因」は、同国による「人を殺し、生を破壊したいという完全な犯罪的願望」だとし、「ロシアがその願望を断念せねばならないのだ」と指摘した。
同氏はその上で、ロシアに願望を断念させるには、同国に圧力をかける必要があるとし、「彼らに恥ずべき行動の悪影響を感じさせるために、あらゆる形態の圧力が必要だ。そのため、この戦争に関する対露制裁をさらに拡大すべきである。戦争の長引かせがモスクワにとって痛みのあるものとならねばならないし、それは可能である。ドイツは、この作業において私たちを支持してくれている」と発言した。
これに先立ち、19日、米国のトランプ大統領とロシアの首脳プーチン氏が電話会談をした後に、プーチン氏はロシアはウクライナ側と一緒に将来の和平合意の可能性に関する覚書を作る準備があるなどと話していた。
ロイター通信は28日、ロシア関係者の発言として、プーチン氏は停戦条件として、北大西洋条約機構(NATO)の当方拡大停止、対露制裁一部解除の文書による誓約や、ウクライナの中立、ロシア政府資産凍結問題の解決、ウクライナでロシア語を話す人々の保護、ウクライナ東部4州の領有を主張していると報じている。